変動金利の住宅ローンを利用中です。ここ1~2年で0.4%上がりました。借り換えを考えるレベルでしょうか?

配信日: 2025.12.26
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変動金利の住宅ローンを利用中です。ここ1~2年で0.4%上がりました。借り換えを考えるレベルでしょうか?
ここ1~2年で住宅ローンの変動金利が約0.4%上昇し、「このまま変動金利を続けて本当に大丈夫なのか」「そろそろ借り換えを検討したほうがいいのでは」と感じている方は少なくありません。
 
これまで長期間にわたって低金利が続いてきた日本において、金利上昇は多くの住宅ローン利用者にとって大きな心理的変化をもたらしています。本記事では、借り換えの目安、約0.4%の金利上昇が家計に与える影響について解説します。
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0.4%の金利上昇は家計にどれほど影響するのか

まずは、金利が0.4%上がることで実際にどの程度の負担増になるのかを確認してみましょう。
 
例えば、住宅ローン残高が3000万円、返済期間が30年、金利が0.5%から0.9%に上昇した場合、毎月の返済額はおおよそ3000~4000円程度増加します。年間では約3.6~4.8万円の負担増となり、10年続けば36万円~48万円の差になります。
 
「月数千円なら何とかなる」と感じるかもしれませんが、教育費や老後資金の準備、物価上昇などを考えると、この差は決して無視できるものではありません。さらに重要なのは、今回の0.4%が“終わり”ではなく、“始まり”である可能性がある点です。
 

今後も変動金利は上がるのか

これまで日本では、日銀の金融緩和政策によって低金利環境が維持されてきました。
 
しかし、近年は物価上昇や金融政策の見直しにより、「金利は今後も少しずつ上がるのではないか」という見方が強まっています。変動金利は短期金利の影響を受けやすいため、今後さらに段階的に上昇する可能性も否定できません。
 
つまり、「まだ低金利だから大丈夫」と何も対策をとらずにいると、気づいたときには返済負担が大きくなっている可能性があります。将来の金利動向を正確に予測することはできませんが、最悪のケースを想定して備えておくことは重要です。
 

借り換えを検討する一般的な目安

借り換えを考える際の一般的な目安として、よく言われるのが次の3点です。


・ローン残高が1000万円以上ある
・返済期間が10年以上残っている
・借り換え後の金利が0.3%以上下がる

これらの条件がそろうと、借り換えによる総返済額の削減効果が出やすいとされています。
 
ただし、最近は単純な金利差だけでなく、「将来の不安を減らす」ことを目的に、変動金利から固定金利へ切り替える人も増えています。実際に、株式会社LIFULLの住宅ローン調査によると、3人に1人が借り換えをしたことがあると回答しています。
 

固定金利へ切り替えるという選択肢

固定金利の最大のメリットは、将来の返済額が確定する安心感です。たとえ変動金利よりも当初の金利が高くても、「これ以上返済額が増えない」と分かっていれば、家計の見通しを立てやすくなります。特に、今後教育費や老後資金など大きな支出を控えている家庭にとっては、精神的なメリットは小さくありません。
 
一方で、金利が再び下がった場合の恩恵を受けられないというデメリットもあります。どちらが正解というわけではなく、「安心を取るか、低金利の可能性を取るか」という価値観の問題でもあります。
 

借り換え時に注意すべきコストと制度

借り換えを行う際には、事務手数料、保証料、登記費用など、数十万円単位の諸費用がかかります。これらを考慮せずに金利だけで判断すると、「借り換えたのに思ったほど得にならなかった」という結果になりかねません。
 
また、変動金利には「5年ルール」や「125%ルール」といった、急激な返済額増加を抑える仕組みがある点も理解しておく必要があります。これらの制度があるからといって安心しすぎるのは禁物ですが、短期的な急変を和らげる仕組みがあることは知っておきたいポイントです。
 

今すぐ借り換えではなく「検討開始」の段階

結論として、ここ1~2年で0.4%金利が上がったという状況は、慌てて借り換えを決断する水準ではありませんが、何も考えずに放置してよい段階でもありません。まずは、現在の返済額、将来さらに金利が上がった場合の影響、固定金利に切り替えた場合の総返済額などをシミュレーションしてみることが大切です。
 
そのうえで、「変動金利を継続する」「一部固定にする」「全額固定へ借り換える」といった選択肢の中から、自分の家計と価値観に合った方法を選びましょう。住宅ローンは長期戦です。早めに情報収集を行い、冷静に判断することが、将来の安心につながります。
 

出典

株式会社LIFULL 住宅ローン調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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