50代・住宅ローン残高1000万円、正直支払いが厳しいです。住宅ローンの返済を途中でやめて売ることはできますか?
田久保誠行政書士事務所代表
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員
行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。
住宅ローンの支払いが厳しくなる理由
住宅ローンの支払いが難しくなる理由としては、失業や病気に伴う収入の減少、家族構成の変化による収入減少や支出の増加などがあり、これは誰にでも起こりうるケースです。
また、最近では住宅ローン金利の上昇や物価高騰による生活費の増加によって、毎月の支出額が増え住宅ローンを支払うことが厳しくなるケースも見受けられます。
実際に住宅ローンの支払いが厳しいと感じたときはどうしたらいいの?
上記のように、支払いが難しくなる状況は人によってさまざまですが、いずれにしても早めに対応することが重要です。
最初の対応法としては、現状の家計の見直しです。日々の支出、特に固定費やサブスクリプションの見直しが挙げられます。また、家計簿アプリ等を利用して支出を再確認する、スマホの料金プランの変更も有効な方法です。
また、自治体等の公的な支援制度として、生活再建をサポートする相談窓口、一時的な生活費の貸付制度がある自治体もありますので、そちらを検討・利用するという方法もあります。
しかし、それでも厳しい場合がどうしたらいいのでしょうか。その場合には、金融機関への相談をする必要があります。多くの金融機関では、返済が厳しくなった際の相談窓口がありますので、相談することも重要となってきます。
そして、条件がそろえば返済期間の延長や返済額の減額等のリスケジュール(以下、「リスケ」)の利用や、返済条件の変更が可能できる場合もあります。
リスケによって毎月の負担額を減らすことで生活の立て直しを図ることができるメリットがありますが、あくまで一時的な措置となります。完済までの支払利息が増えることがデメリットですし、返済期間を延ばしても老後に完済できるかという問題もあります。
また、もうすでに滞納している場合には、相談に乗ってもらえないケースがありますので、いずれにせよ金融機関への早めの相談が大切になってきます。
それでも住宅ローンの支払いが厳しい場合には?
どうしても支払いが難しい場合は、ご質問のような「売却」ということも考えられます。ただし、売却を行う場合、住宅ローンと売却額どちらが多いかで変わってきます。
もし、【住宅ローン額<売却額】の場合は、通常の売却ですので金融機関(債権者)の許可は不要ですし、市場価格で売却できます。しかし、【住宅ローン額>売却額】の場合は、任意売却となり、金融機関(債権者)の許可が必要で、売却価格は市場価格より1割以上低い額での売却となってしまいます。
また、任意売却には売却期間が決まっていますので、一定期間内に買い手が見つからない場合は競売へ進みます。競売の場合は任意売却よりさらに売却価格が低くなり、また情報が公開されるため、ご自身の自宅が競売にかけられていることを知られることになります。
もし、今お住まいの家が気に入っている、あるいは愛着のある地域なので引っ越したくないという場合には、「リースバック」という方法もあります。
リースバックとは、いったん所有されている自宅を売却し、その売却先(買い主)と賃貸契約を締結して同じ家に住み続ける方法です。もちろん、これも負債額によって金融機関の許可が必要となります。
家計の見直し+売却予定額の確認を!
ご相談者の方もご自身のライフプランがあると思われますが、まずは家計を見直し、住宅ローンを今後も払い続けることができるかを確認しましょう。
売却ということになれば、いくらで売却できるのか、その額が残債より多いのか否かを確認して金融機関と話をすることをお勧めします。
執筆者 : 田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表