奨学金「300万円」を“利率0.2%”で借りたはずが、なぜか「1.6%」で通知が届いた!“利率固定方式”なのにナゼ!? 返還額への影響もシミュレーション

配信日: 2026.01.20
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奨学金「300万円」を“利率0.2%”で借りたはずが、なぜか「1.6%」で通知が届いた!“利率固定方式”なのにナゼ!? 返還額への影響もシミュレーション
大学卒業後、奨学金の返還が始まるタイミングで、利率や返還金額を通知する書類が届きます。通知を確認すると、「利率固定方式を選んだはずなのに、思っていたより利率が高い」と違和感を覚えることがあるかもしれません。
 
利率固定方式という言葉から、申込時に想定していた利率がそのまま返還時にも適用されると受け取ってしまいがちですが、実際はそうではありません。奨学金制度における利率固定方式の意味は、誤解されやすいため注意が必要です。
 
本記事では、奨学金の利率の決定時期や決定の仕組み、利率差が返還額にどれほど影響するのかを解説します。
東雲悠太

FP2級、日商簿記3級、管理栄養士

奨学金の利率はいつ決まる?

奨学金には自治体や大学独自のものもありますが、本記事では日本学生支援機構(以下、JASSO)の奨学金について取り上げます。JASSOの奨学金には、利子の発生しない「第一種奨学金」と、元本返還に加えて利子の支払いが生じる「第二種奨学金」があります。
 
今回のように利率が影響するのは、第二種奨学金を利用しているケースです。第二種奨学金の利率の決まり方には以下の2通りがあります。
 

・利率固定方式:返還完了まで利率が一定
・利率見直し方式:返還期間中おおむね5年ごとに利率を見直す

 
ここで注意が必要なのは、利率の決定タイミングです。利率は、貸与終了時点で確定し、返還開始後にその利率が適用されます。そのため、利率固定方式は入学前の奨学金を申し込むときの利率を固定するという意味ではありません。
 
市場金利の動向によっては、利率固定方式であっても、適用される利率が申込時の想定より高くなることがあります。
 

利率が上がると返還額はどれくらい増える?

第二種奨学金の利率は近年上がってきています。例えば利率固定方式は、2021年4月は0.268%ですが、2025年3月は1.641%です。この適用利率が申込時の想定から貸与終了時点までに上昇したと仮定して、利率の違いが返還額にどの程度影響するのかを試算してみましょう。
 
前提として、第二種奨学金で300万円を借り、返還期間を17年(204回)とした場合を想定します。
 

・利率0.268%の場合:毎月の返還額は約1万5050円、17年間の返還総額は約306万円
・利率1.641%の場合:毎月の返還額は約1万6980円、17年間の返還総額は約346万円

 
実際の返還額は借入条件によって異なりますが、同じ300万円を借りた場合でも、利率差によって毎月約1900円、返還総額で約40万円の差が生じる可能性があります。月々の差は小さく感じられるかもしれませんが、長期間にわたる返還では総返還額への影響は無視できません。
 

奨学金の利率決定のタイミングを正しく理解しよう

JASSOの第二種奨学金は、卒業して貸与が終了した時点で利率が決定し、返還開始後はその利率が適用されます。利率固定方式でも、奨学金を申し込むときの利率が固定される仕組みではありません。
 
申込から貸与終了までには数年のずれがあるため、その間の金利環境の変化によっては、適用される利率が申込時の想定より高くなるケースも考えられます。
 
奨学金を利用するときは、制度の仕組みを正しく理解したうえで、将来の返還も含めた余裕のある資金計画を立てることが大切です。
 

出典

独立行政法人日本学生支援機構 貸与奨学金(返済必要)
独立行政法人日本学生支援機構 平成19年4月以降に奨学生に採用された方の利率
 
執筆者 : 東雲悠太
FP2級、日商簿記3級、管理栄養士

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