早期退職を選んだ先輩いわく「退職金をもと手に投資用マンションを買って、家賃収入で暮らす」とのこと。定年後にローンを組むのは、どれくらいリスクがありますか?
本記事では、定年後ローンの仕組みや注意点、老後資金とのバランスについて解説します。
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定年後にローンを組む仕組みと現役時代との違い
定年後でも不動産投資ローンを組むこと自体は不可能ではありませんが、現役時代と比べると金融機関の審査は格段に厳しくなります。理由の一つは、給与収入がなくなり年金や家賃収入が主な返済原資と見なされるため、安定性が低いと判断されやすい点です。
また、完済年齢の上限が設定されている場合もあります。例えば、フラット35では「申込時の年齢が満70歳未満の方」を利用要件としています。上限が設定されているのは年齢が上がるにつれ借入期間が短くなり、その分毎月の返済額が高くなる傾向があるためです。結果として、資金繰りに余裕がない計画では、老後生活を圧迫するリスクが高まります。
家賃収入に頼る老後生活が抱える不確実性
投資用マンションの家賃収入は、将来にわたって必ず安定するとは限りません。空室リスクや家賃下落、修繕費の増加など、想定外の支出が発生する可能性があります。
特に高齢期に入ってからは、突発的な医療費や介護費用も重なりやすく、家賃収入が減少するとローン返済との両立が難しくなるケースもあります。年金収入だけで生活費を賄えない場合、投資の失敗がそのまま生活水準の低下につながる点は、現役世代以上に慎重に考える必要があります。
退職金を活用する際に意識したい資金配分と対策
退職金は老後生活の基盤となる大切な資金であり、その大部分を不動産投資に充てることには大きなリスクがあります。仮に物件価値が下落した場合、資産全体のバランスが崩れ、修正が難しくなるためです。
対策としては、ローン比率を抑えて返済負担を軽減することや、生活費の数年分を現金で確保しておくことが挙げられます。また、不動産投資を「収入の柱」にするのではなく、年金を補完する位置づけで考えることで、無理のない老後設計につながります。
さらに見落とされがちなのが、定年後は「やり直しが利きにくい」という点です。現役時代であれば、収入を増やしたり追加で働いたりすることでリスクを挽回できる余地がありますが、定年後はその選択肢が限られます。
不動産投資で想定外の事態が起きた場合、売却を検討しても、築年数の経過や市場環境によっては希望通りの価格で売れない可能性もあります。
そのため、投資判断の際は利回りの高さだけでなく、「最悪の場合どうなるか」という視点でシミュレーションを行うことが重要です。老後資金を守るためには、慎重な計画と第三者の専門的なアドバイスを取り入れる姿勢が欠かせません。
定年後ローンは「慎重すぎる」くらいがちょうどいい
定年後にローンを組んで投資用マンションを購入することは、決して不可能ではありませんが、現役時代以上にリスク管理が求められます。家賃収入の不確実性や医療・介護費用の増加を踏まえると、返済計画に余裕がない投資は老後生活を不安定にしかねません。
退職金は生活を守るための資金であることを忘れず、投資はあくまで補助的な位置づけで検討することが、安心できるセカンドライフへの近道といえるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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