奨学金の金利が2.5%超になったと聞き不安です。返済期間20年でどれくらい負担が変わりますか?
本記事では、独立行政法人日本学生支援機構の奨学金制度の基本と金利の仕組みを整理したうえで、仮に金利が1.5%から2.5%へ上昇した場合、20年返済でどれくらい差が出るのかを試算します。
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奨学金制度の概要と金利の仕組み
独立行政法人日本学生支援機構の奨学金には、大きく分けて「第一種奨学金(無利子)」と「第二種奨学金(有利子)」、返済不要の「給付奨学金」があります。第一種奨学金は利息がつかない一方、第二種奨学金は在学中は無利息で、卒業後の返還時に利息が発生します。
第二種奨学金の金利は、貸与終了時に決定される仕組みで、「利率固定方式」と「利率見直し方式(変動)」のいずれかを選択できます。固定方式は返還完了まで同一の利率が適用され、見直し方式はおおむね5年ごとに利率が見直されます。いずれの場合も、利率には上限(年3%)が設けられています。
金利の推移と最近の動き
第二種奨学金の利率は経済状況に応じて変動してきました。独立行政法人日本学生支援機構が公表しているデータによると、長らく低金利環境が続きましたが、日本銀行の政策見直しを受けて、2023年ごろから利率は急上昇しています。
直近では、2026年1月における固定方式の利率は2.512%となっています。1年前の2025年1月時点の1.440%と比べると約1%の上昇で、4年前の2022年3月時点(0.369%)の約7倍です。
金利1.5%と2.5%でどれくらい差が出るか
では、具体的にどれくらい返済額が変わるのでしょうか。ここでは仮に、借入総額300万円、返済期間20年と仮定して試算します。
・金利1.5%の場合
月々の返済額は約1万5000円前後、総返済額は348万円程度となります。利息総額は約48万円です。
・金利2.5%の場合
月々の返済額は約1万6000円前後、総返済額は382万円程度となります。利息総額は約82万円です。
この試算では、総返済額の差はおよそ34万円前後となります。月々の返済額で見ると1400円程度の差ですが、20年という長期間では差額が積み上がります。
なお、実際の返済額は借入総額や返還方式、繰上返還の有無などによって変わります。ここでの数値はあくまで一例です。
返済負担を考える際の視点
金利が1%上昇すると、利息総額が数十万円単位で増える可能性があります。ただし、奨学金には減額返還制度や返還期限猶予制度も設けられており、経済的に困難な場合には一定の配慮措置があります。
また、固定方式を選択している場合は、貸与終了時に確定した利率が返還終了まで適用されます。見直し方式では金利が下がる可能性もありますが、上昇局面では返済額が増える可能性があります。
そのため、今後借り入れを検討する場合は、金利だけでなく返還総額や将来の収入見込みを踏まえ、固定と変動のどちらが適しているかを慎重に判断することが重要です。
まとめ
第二種奨学金の金利が2.5%程度になった場合、仮に300万円を20年で返済すると、今回の試算では、金利1.5%との差は総額で30万円台になる可能性があります。月々の差は千円程度でも、長期では無視できない金額になるでしょう。
もっとも、利率には上限が設けられており、返還困難時の支援制度も整備されています。金利上昇の局面では、借入総額や返済期間を含めた総返済額を確認し、自身の将来収入とのバランスを踏まえて判断することが求められます。数字を具体的に把握したうえで、過度に不安視するのではなく、制度の枠組みを理解して選択することが大切です。
出典
独立行政法人日本学生支援機構
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー