「住宅ローン2000万円」返済中の会社員…“金利0.5%→1%”の上昇を「月4000円くらい増えても…」と受け入れ後悔! 私大の“授業料1年分”が消えるなんて…金利上昇の影響を解説
わが家はまだ大丈夫と思っているかもしれませんが、金利があと0.5%、1.0%と上がったとき、毎月の返済額や総返済額はどれほど変わるのでしょうか。具体的にシミュレーションしてみましょう。
FP2級、WEBライター検定3級、情報処理安全確保支援士、ネットワークスペシャリスト
残債2000万円・残り20年、金利0.5%なら毎月いくら?
まずは、現在の低金利環境における返済額を基準として計算してみましょう。
・ローン残高: 2000万円
・残り期間: 20年(240回払い、ボーナス払いなし)
・適用金利: 0.5%(元利均等返済)
この条件での毎月の返済額は8万7586円です。完済までの総返済額は、利息分を含めて約2102万円となります。
金利が1.0%に上がるとどうなる?
ローン金利が0.5%上昇し、1.0%になった場合ではどうなるでしょうか。金利以外は同じ条件で試算すると、毎月返済額は9万1978円になります。差額は約4400円増です。
「月4400円くらいなら何とかなる」と感じるかもしれません。しかし、これが20年間続くとどうでしょうか。
4400円 × 12ヶ月 × 20年 = 約106万円
毎月の約4400円増は、外食を1、2回控えればなんとかなると感じる金額かもしれませんが、注目すべきは総返済額です。100万円以上の純粋なコスト増が、じわじわと家計を圧迫することになるのです。
1.5%まで上昇したら? 月1万円近い負担増に
さらに金利が上がり、1.5%に到達したケースを見てみましょう。毎月返済額は9万6509円となり、0.5%の時と比較すると、約9000円増となり、その差は歴然です。20年間では、約9000円 × 12ヶ月 × 20年 = 約216万円となります。
つまり、毎月の支払額は約9000円アップ し、年間では約11万円、総返済額では200万円以上もの増加です。これだけの金額があれば、車の買い替え費用や住宅のリフォーム代、あるいは子どもの教育資金として十分な役割を果たせたはずです。金利上昇は目に見えない手数料を払い続けるようなものなのです。
老後資金にどう響く?
月1万円なら今の給料でカバーできる、と考える人もいるかもしれませんが、それは早計です。住宅ローンの返済期間の後半は、多くの世帯にとって老後資金を貯めるラストスパートの時期と重なるため、わずかな負担増でも、将来の計画に影響する可能性は十分考えられます。
仮に月々の返済が1万円増えた場合、20年間で積み重なる金額は240万円にものぼります。
本来であれば、この資金を新NISAやiDeCoなどの資産運用に回し、老後の備えとして数百万、数千万単位に育てられたはずのチャンスを失うことになります。金利の上昇分を支払うということは、自分の老後のための貯蓄スピードが、それだけ鈍化することを意味するのです。
さらに、多くの住宅ローン利用者が想定している、退職金での完済や定年時の繰り上げ返済のプランにも狂いが生じる可能性があります。返済額が増えることで毎月の貯蓄が計画通りに進まず、いざ定年を迎えたときに、手元に残る現金が想定より大幅に少なくなってしまうリスクがあるからです。
特に残り20年という時期は、子どもの教育費負担がピークに達する時期とも重なりやすく、住宅ローンの負担増が、教育費と老後資金の両方を圧迫するダブルパンチになりかねません。
まとめ
金利が1%上がるだけで、総支払額は200万円単位で膨らみます。月々数千円の差だからと楽観視せず、まずは自身のローン残高と期間で、金利が1%、2%上がったときの返済額を試算してみてください。
もしその増額分に家計が耐えられない、あるいは老後資金に大きな穴が開くことが想定されるのであれば、今のうちに固定金利への借り換えや、繰り上げ返済による元本削減といった、具体的な対策を検討すべきかもしれません。
執筆者 : 金田サトシ
FP2級、WEBライター検定3級、情報処理安全確保支援士、ネットワークスペシャリスト