息子が「奨学金300万円」借りる予定ですが、友人に「子どもに借金させるなら教育ローンにしたら?」と言われました。実際“返済総額”はどれだけ違いますか? 借金なら親が負うべきでしょうか?
一方で、教育資金を補てんするための別の手段として教育ローンがあります。どちらを選ぶのが正解とは一概に言えないものの、両者には異なる特徴があるため、違いを理解して選択することが必要です。
本記事では、奨学金と教育ローンの仕組みの違いを整理したうえで、300万円を借りた場合の返済総額の違いについて解説します。
FP2級、日商簿記3級、管理栄養士
奨学金と教育ローンの仕組みの違いは?
奨学金と教育ローンは、どちらも教育資金を補う制度ですが、借りる人や返済の考え方に大きな違いがあります。奨学金は、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)が運営するものが一般的です。
返済が不要な給付型もありますが、より一般的な貸与型は、学生本人が借り入れ、卒業後に本人が返済する仕組みです。毎月定額が振り込まれ、在学中は利息が発生せず、返済は卒業後から始まります。
一方、教育ローンは民間金融機関の取り扱うもののほかに、日本政策金融公庫および沖縄振興開発金融公庫が「国の教育ローン」の通称で取り扱っています。保護者が契約者となり、借入と返済の主体も親が担う仕組みです。資金は一括で借り入れ、一般的には借入後すぐに返済が始まります。
細かな返済方法の違いはありますが、仕組み上の両者の大きな違いの1つが、誰が返済を担うかという点にあります。
300万円借りた場合の返済額はいくら違う?
奨学金と教育ローンで300万円を借りた場合の返済額を比較してみましょう。試算条件は、返済期間17年、金利は固定方式で設定しています。月々の返済額と総返済額の試算結果は次の通りです。
・奨学金
固定金利:2.512%(JASSO、2026年1月中に貸与終了した者の貸与利率)
月返済額:約1万8300円
総返済額:約373万円
・教育ローン
固定金利:3.55%(国の教育ローン、2026年2月2日時点)
月返済額:約1万9700円
総返済額:約399万円
月々の差額は1400円程度、総返済額の差は約26万円です。このように、金利差が約1%ある場合、返済総額には20万円超の差が生じる結果となりました。
ただし、教育ローンの金利は借り入れる金融機関によって大きく異なります。信用金庫や銀行の教育ローンでは2%台の水準も見られ、キャンペーンや取引条件によっては、さらに低い金利が適用されるケースもあります。
状況によっては、奨学金との返済総額の差だけでは優劣がつきにくい可能性があり、どちらが得かは一概に言えない点に注意が必要です。
返済額だけでなく誰が返済するかを考えて選択しよう
300万円を借りた場合、国の教育ローン(固定金利3.55%)と奨学金(固定金利2.512%)では、返済総額に20万円超の差が生じます。金利差が1%前後ある場合、総返済額への影響は無視できません。
一方で、民間教育ローンでは低金利商品もあり、差が縮まるケースもあります。奨学金と教育ローンのどちらを選ぶべきかは、金利だけでなく、親と子のどちらが返済を担うのかという視点も重要です。家計全体の資金計画や子どもの将来負担などをトータルで考えて、自分の家庭にとって最適な方法を選択することが大切です。
出典
独立行政法人日本学生支援機構 平成19年4月以降に奨学生に採用された方の利率
株式会社日本政策金融公庫 ご利用条件や金利・ご返済方法
執筆者 : 東雲悠太
FP2級、日商簿記3級、管理栄養士