住宅ローン残り「1200万円」だけど、金利1.5%なら“繰り上げ返済”が正解? それとも新NISAで「年5%運用」のほうが得でしょうか? それぞれを試算

配信日: 2026.03.16
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住宅ローン残り「1200万円」だけど、金利1.5%なら“繰り上げ返済”が正解? それとも新NISAで「年5%運用」のほうが得でしょうか? それぞれを試算
住宅ローンの返済は毎月の家計の中でも大きな割合を占め、「可能であれば繰り上げ返済したい」と考える人も多いでしょう。一方、手元にまとまった資金があっても、繰り上げ返済で利息を減らすべきか、新NISAで運用したほうが良いのか悩む人もいるかもしれません。
 
本記事では、具体的な事例として住宅ローン1200万円を繰り上げ返済した場合と、NISAで運用した場合を数字で比較していきます。
三浦大幸

2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

繰り上げ返済をしない場合の総返済額は?

まずは、住宅ローンの前提条件を整理していきましょう。
 

・残り元本:1200万円
・金利:年1.5%
・返済期間:10年
・元利均等返済

 
この条件で今後も住宅ローンの返済を続けた場合、総返済額は約1293万円となります。つまり、利息負担は約93万円です。もし、手元資金で1200万円を一括繰り上げ返済すれば、この約93万円の利息を支払わずに済む計算になります。
 
ただし、住宅ローン控除の適用期間中は、繰り上げ返済により控除額が減る可能性があるので注意が必要です。
 

新NISAで年5%運用したら?

一方、1200万円を新NISAで年5%、10年間運用できた場合を試算すると、次の通りです。
 

・1200万円×(1.05)^10年=約1955万円

 
元本1200万円に対し、増加分は約755万円となりました。繰り上げ返済で節約できる利息が約93万円だったのに対し、理論上は約755万円の運用益ですので、差は約660万円にのぼります。
 
この数字だけを見ると、「繰り上げより運用のほうが圧倒的に有利」に見えるかもしれません。
 

ただし年5%は確定ではない

ここまでを見ると、「やはり繰り上げ返済をせずにNISAで運用をし続けたほうが得」と考える人もいるでしょう。
 
確かに、住宅ローン金利1.5%は、金利などの条件が変わらない限りほぼ確定です。しかし、株式や投資信託で年利5%を10年間続けられる保証はありません。
 
例えば、市場が低迷すれば年利0%近くになる可能性もありますし、最悪、元本割れになるかもしれません。また、運用の途中で急遽資金が必要となり、運用資金が減ってしまう可能性もあります。
 
ちなみに、仮に年利が2%だった場合、10年後は約1463万円になるので、運用による増加分は約260万円にとどまります。それでも利息93万円よりは上回りますが、期待していたほどの成果が上がらない可能性は考慮すべきでしょう。
 

判断基準は「リスク許容度」

住宅ローンを繰り上げ返済するか、返済はそのままで手元資金を運用するかの選択をするにあたっての1つの判断基準としては、リスクをどこまで受け入れられるかが挙げられます。繰り上げ返済は、利息軽減という効果が確実に得られる安心策です。一方、運用は期待リターンが高い分、価格変動という不確実性を伴います。
 
例えば、すでに住宅ローン控除が終了しており、老後資金にもある程度の余裕があり、相場の値動きに一喜一憂せず長期で保有できるのであれば、運用を選ぶという判断も合理的でしょう。
 
反対に、残り10年で確実に完済したい、資産が減る局面に強い不安を感じる、将来の教育費や介護費など読みにくい支出が控えているという場合には、繰り上げ返済の安心感は大きな意味を持ちます。
 

まとめ

住宅ローンの残りが1200万円、金利1.5%、返済期間10年の場合、繰り上げ返済による利息軽減効果は約93万円です。一方、新NISAで年利5%で運用できれば約755万円の利益となる可能性があります。
 
ただし、今回のケースにおいて、1.5%は確実、5%は期待値です。試算の数字上は運用のほうが有利に見えても、結果は市場環境に左右されます。
 
「数百万円得になるかもしれない」という期待と、「確実に93万円を減らせる」という安心のどちらを重視するかは、家計状況とリスク許容度によって変わってくるでしょう。自分の状況をよく把握したうえで、判断するようにしましょう。
 
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

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