頭金は600万必要?住宅ローンの頭金ってどれくらいあるといいのか

配信日: 2019.07.05 更新日: 2020.07.03

この記事は約 5 分で読めます。
頭金は600万必要?住宅ローンの頭金ってどれくらいあるといいのか
住宅資金は、教育資金、老後資金と並び、人生の3大資金の一つです。住宅を購入し、所有すれば個人の資産となります。では、家を購入するとしたら、どのくらいのお金を準備すればよいのでしょうか。
 
上山由紀子

執筆者:上山由紀子(うえやま ゆきこ)

1級ファイナンシャルプランニング技能士 CFP®認定者

1級ファイナンシャルプランニング技能士 CFP®認定者 鹿児島県出身 現在は宮崎県に在住 独立系ファイナンシャル・プランナーです。
 
企業理念は「地域密着型、宮崎の人の役にたつ活動を行い、宮崎の人を支援すること」 着物も着れるFPです。
 

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頭金はどうして必要?

住宅を購入する際、頭金が多いほど返済に余裕ができることは確かです。下の図を見てください。
 
前提条件:物件価格が3000万円、返済期間30年、金利1.27%(元利均等返済)
 
【頭金がゼロの場合】
毎月返済額 10.03万円 返済総額 約3609万円

 
【頭金が購入価格の2割、600万円の場合】
毎月返済額 8.02 万円 頭金と総返済額の合計 約3487万円

筆者が試算作成
 
上の例では、頭金が物件価格の2割の場合とゼロの場合で、毎月の返済額に約2万円の差が出ています。支払い利息の総額は、頭金2割(600万円)の場合で約487万円、頭金ゼロの場合で約609万円になります。その差は122万円です。頭金が多ければ返済の負担が軽くなることが分かります。
 
また、物件価格(特に新築)は、購入して人が住んでしまうと値下がりするのが普通です。
 
頭金を入れていないと、しばらくは売却価格がローン残債より低くなる可能性があります。このときに、家を売却しなければならない事情ができた場合には、差額分を現金で用意しなければ、家を売るに売れないといった状況になることもありえます。
 

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住宅ローンの負担を減らすには?

「住宅ローンの負担=住宅ローンの利息の金額」と読み替えてもいいのではないでしょうか。住宅を購入するには、大きな資金が必要になります。つまり、大きな借金をするということです。
 
お金を借りると、必ず利息を払わなければなりません。借りたお金(元金)プラス利息を払っていくことになるわけです。借りたお金が少なければ払う利息も少なくて済みます。
 
要するに、住宅ローンの負担に大きく影響するのはこの3つになります。
1.借入額、2.金利、3.返済期間
 
したがって、住宅ローンの負担を減らす方法としては、以下の3つが考えられます。
 
1.頭金を多く用意して借入額を減らす
2.金利の低い住宅ローンを探す
3.返済期間を短くする(返済期間を短くすると毎月の支払額が大きくなるので、支払える毎月の金額を考えることが必要です)

 

頭金に充てていい金額はいくらでしょうか?

住宅を購入するなら、頭金は多いほどいいとお話ししました。しかし、貯蓄しているお金をすべて頭金にしてしまうと、いざというときに使うお金がなくなり、自分で自分を苦しめることにもなりかねません。
 
そのため、緊急予備費として生活費の半年分から1年分くらいは、すぐに使えるような口座に置いておきましょう。そうすることで、日々の安心があると考えます。緊急予備費を除いたお金を、頭金に充てることをおすすめします。
 
先ほどもお伝えしたように、家は購入したあとに値下がりします。なので、頭金は物件価格の2割以上をおすすめします。
 
また、住宅を購入するときには、物件価格プラス諸費用がかかります。購入前の諸費用は新築の場合、物件価格の3%~7%程度、中古住宅の場合、物件価格の6%~10%程度が目安になります。
 
そして、忘れてはならないのが購入後の諸費用です。一戸建てとマンションではかかる諸費用が少し違いますが、共通してかかるものとしては原則、次のようなものがあります。
 
【共通】
・固定資産税 
・都市計画税 
・火災保険料 
・地震保険料
・設備・内装補修費(リフォームや老朽化による費用) など
 
【一戸建て】
・修繕費用(建物の担保価値が下がらないようにメンテナンス工事をする必要があります)
・増改築費(バリアフリー改修工事費用等) など
 
【マンション】
・管理費、修繕積立金
・駐車場代 など
 
いろいろとお伝えしてきましたが、家を購入するときに、まず考えることは、無理をしないということです。自分のライフプランを考え、自分に合った家の購入をしていただきたいです。無理して購入しても、支払いが滞ることになれば生活自体も大変になります。
 
家を購入する意味をしっかりと考え、資金計画を立てることが大切です。
 
執筆者:上山由紀子(うえやま ゆきこ)
1級ファイナンシャルプランニング技能士 CFP®認定者
 

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