ついに住宅ローンの金利上昇が始まりましたが、5年で0.5%上昇 vs 固定3%。35年返済でトータル安くなるのは結局どっち?
一方、固定金利は返済額が変わらない安心感がありますが、その分金利は高めになりやすいため、どちらを選ぶべきか判断は簡単ではありません。
そこで本記事では、住宅ローン金利が上昇する局面で、変動金利と固定金利のどちらを選ぶべきかについて解説します。
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目次
住宅ローンの金利上昇で、変動と固定の差はどう変わったのか
住宅ローンの金利タイプは、大きく分けて「変動金利」と「固定金利」があります。変動金利は返済中に金利が見直されるタイプで、日本銀行の政策金利の影響を受けやすい商品です。これに対して固定金利は、借入時に完済までの金利が決まり、主に長期金利の影響を受けます。
2024年3月のマイナス金利解除以降、住宅ローン金利は少しずつ上昇し始めています。つまり、以前のように「変動はとにかく低いから有利」と単純には言いにくくなりました。とはいえ、固定金利はもともと将来の金利上昇リスクを金融機関側が引き受ける分、変動より高めに設定されやすいという基本は変わりません。
5年で0.5%上昇でも、総返済額は固定3%より変動が低くなりやすい
では、本題の「5年で0.5%上昇 vs 固定3%」を考えます。ここでは、3000万円を35年返済で借り、変動金利は当初0.5%から5年かけて1.0%まで上がり、その後は1.0%で続くという単純な試算にします。
すると、変動の毎月返済額は当初約7万8000円で始まり、6年目以降でも約9万5000円です。一方、固定3.0%では毎月返済額が約11万5000円となります。
総返済額の概算では、変動シナリオが約3930万円、固定3.0%が約4849万円となり、差は約900万円あります。つまり、このシナリオでは、総返済額だけなら固定3%より変動のほうが低くなります。ただし、固定3%が逆転して有利になるのは、変動金利がもっと速く、もっと大きく上がる場合です。
総額だけで決めると危険で、見るべきなのは毎月返済の安心感
ただし、ここで注意したいのは、住宅ローンは総額が安いほうが必ずしも正解ではないことです。変動金利は、上昇幅が想定より大きくなると、毎月返済額がさらに増えるおそれがあります。
住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)」によると、利用した住宅ローンの金利タイプは変動型が75.0%と最も多いことから、変動金利を選ぶ人は多いことが分かります。
しかし、その一方で金利変動への不安も無視できません。金利が低いうちは返済が楽でも、教育費が増える時期や、転職、出産などのライフイベントが重なると、少しの返済増でも負担感は変わります。
そのため、今の返済額だけでなく、「毎月の返済額が2万円増えても家計に無理がないか」という視点で考えることが大切です。
住宅ローンの金利タイプは、総額の安さより無理なく返せるかで選ぼう
今回の条件なら、35年の総返済額では、5年で0.5%上がる変動金利のほうが固定3%より安くなりやすいです。ただし、住宅ローン選びで本当に大切なのは、最安を当てることではありません。金利が上がっても無理なく払えるか、将来の家計に余裕を残せるかを基準にすることです。
毎月の返済に十分な余裕があり、金利上昇にも対応しやすい世帯なら、変動金利は有力な選択肢です。一方、返済額が増える不安を避けたいなら、固定金利には総額以上の安心という価値があります。
金利が動く時代だからこそ、「どちらが得か」だけでなく、「どちらなら安心して払い続けられるか」で選ぶことが、後悔しにくい住宅ローン選びにつながるでしょう。
出典
住宅金融支援機構 “金利のある世界”でどう変わる? これからの住宅ローン選びを考えよう
住宅金融支援機構 住宅ローン利用者の実態調査 【住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)】
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
