中古車を「180万円・5年ローン」で購入。兄に“250万円の新車”を購入し「残クレだったら同じくらいの支払いで乗れる」と言われたのですが、本当にお得に“新車に乗れる”のでしょうか?
自動車ローンを利用して中古車を購入した人の中には、「残クレなら月々の支払いが同じくらいで新車に乗れる」と聞き、気になるケースもあるでしょう。確かに月額だけを見ると支払い水準が近いように見える一方で、契約構造は大きく異なることに注意が必要です。
本記事では、残クレの仕組みや自動車ローンとの支払総額の比較を通じて、どのような人が残クレに適しているのかを解説します。
FP2級、日商簿記3級、管理栄養士
残価設定型ローンとは?
残価設定型ローン(残クレ)とは、車両価格の一部を「残価」として据え置き、残りを分割返済する購入方法です。将来の下取り価格をあらかじめ設定することで、毎月の返済額を抑えられる仕組みになっています。契約満了時は、原則として「返却」「買い取り」「乗り換え」の3つのいずれかを選択可能です。
残価部分の支払いを据え置くことで、月額を抑えながら新車に乗れる点や、一定期間ごとに新しい車へ乗り換えやすい点は大きなメリットです。
一方で、残価部分に対する金利はかかるため、自動車ローンと比較して、総支払額が必ずしも大幅に抑えられるわけではありません。また、返却を選択した場合は車が手元に残らず、走行距離や返却時の車両の状態によって、追加精算が発生することにも注意が必要です。
自動車ローンと残価設定型ローンの支払い額の違いを比較
今回のケースのように、自動車ローンを組んで180万円の中古車を購入する場合と、250万円の新車を残クレで購入する場合で、月々の返済額が同程度なのかを試算してみましょう。今回は、燃費や税金などのランニングコストは考慮せず、次の条件で試算して支払い構造の違いによる返済額の差のみを比較します。
・適用金利4%
・返済期間5年
・頭金0円
・毎月均等返済(ボーナス払いなし)
・残クレの残価設定率:約32%
中古車180万円を通常ローンで購入した場合、月々の返済額は約3万3100円です。5年間の支払総額は、約199万円となります。一方、残クレで250万円の新車を購入した場合、月額は約3万3400円で、5年間の支払総額は、約197万円です。
返却を前提にすると、月々の返済額だけを見れば、両者に大きな差はありません。しかし、自動車ローンで購入した場合、返済後は車が自分の資産として残る一方、残クレは、同じだけの総額を支払った時点では自分の資産にはなりません。残価部分を追加で支払って車を買い取ることで、初めて車が自分の資産になります。
残クレは、月々の支払いを抑えながら、車の所有にこだわらず、定期的に新車に乗り換えたい人に向いている購入方法と言えます。
自分の利用スタイルに合った購入方法を選択しよう
残価設定型ローンは、月額を抑えながら新車に乗れる一方で、最終的な支払総額や満了時の選択肢まで含めて考える必要がある購入方法です。自動車ローンで中古車を購入する場合と、残クレで新車を購入する場合を比較すると、金額によっては月々の支払い額が同程度になることもあります。
しかし、残クレで返却を前提とする場合、車が手元に残らない点が大きな違いとなります。契約前に支払総額や満了時の条件を確認し、自身の利用スタイルに合った方法を選ぶようにしましょう。
執筆者 : 東雲悠太
FP2級、日商簿記3級、管理栄養士