住宅ローン「3000万円」返済中だけど、変動金利“1%上昇”で、月の負担は「1万4000円」増! 今すぐ“固定に借り換え”は損・得どちらですか?「残期間30年」のケースで試算
もし変動金利が0.5%から1.5%に1%上昇したら、毎月の返済額はどのくらい増えるのでしょうか。また、上がりきる前に固定金利へ切り替えるのは本当に得なのでしょうか。本記事では残債3000万円・残期間30年のケースで試算し、借り換えの損得を確認します。
FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー
目次
残債3000万円・残30年で「月1万4000円」も返済額が増える
住宅ローン残高3000万円、残りの返済期間30年、元利均等返済で試算してみます。変動金利が0.5%から1.5%へ1%上昇した場合、毎月の返済額は以下のように変化します。
・金利0.5%:月8万9757円
・金利1.0%:月9万6492円
・金利1.5%:月10万3536円
0.5%から1.5%への上昇で毎月の返済額は約1万3779円増え、年間で約16万5000円、残30年トータルでは約496万円もの差になります。家計へのインパクトはそれなりに大きく、「金利が上がる前に固定に変えておきたい」と考える人がいるのもうなずけます。
変動金利には「5年ルール」「125%ルール」がある
ただし、変動金利かつ元利均等返済で借り入れている場合、多くの金融機関には「5年ルール」と「125%ルール」と呼ばれる仕組みがあります。
5年ルールとは、適用金利が変わっても毎月の返済額の見直しは5年に1回だけというルールです。125%ルールは、5年後の返済額の見直しでも、新しい返済額は前回までの125%(1.25倍)が上限となるというものです。
つまり金利が急に1%上昇しても、毎月の支払いがすぐに月1万4000円増えるわけではありません。返済額は据え置きで、内訳のうち利息の割合が増えて元金の減りが遅くなるしくみです。
固定金利「フラット35」は2.49%と現行制度下で過去最高
一方の全期間固定金利型は、長期金利の上昇を受けて高い水準に上がっています。住宅金融支援機構が2026年4月に発表した「フラット35」(借入期間21~35年・融資率9割以下)の最低金利は2.49%で、前月から0.24%引き上げられ、現行制度となった2017年以降で最大の上げ幅・過去最高の水準です。
残債3000万円・残30年でフラット35(2.49%)に借り換えた場合の毎月返済額を試算すると、約11万8380円となります。借り換えには事務手数料や登記費用などの諸費用が一般的に30万~80万円程度かかるとされており、仮に60万円を借入額に上乗せして3060万円で借り換えると、毎月返済額は約12万748円です。
今すぐ固定に変えると「損するケース」もある
ここで先ほどの試算と並べてみましょう。
・変動0.5%のまま:月8万9757円
・変動が1.5%まで上昇:月10万3536円
・フラット35(2.49%)に借り換え:月11万8380円(諸費用込み3060万円なら月12万748円)
変動金利が1.5%まで上昇したケースと比べても、フラット35へ借り換えた場合のほうが毎月約1万5000~1万7000円高くなる計算です。今すぐ固定に切り替えると、変動金利が今後さらに1%以上上昇しない限り、結果的に総返済額は増えてしまう可能性があるのです。
借り換えを検討すべき人・様子を見るべき人
それでも固定への借り換えが向いているのは、家計に余裕がなく返済額の増加が許容できない人や、教育費など将来の支出増が見えている人です。逆に、残期間が短い、繰り上げ返済の余力がある、5年・125%ルールの保護があるといった条件がそろっていれば、変動のまま様子を見る選択肢も合理的でしょう。
大切なのは「不安だから」だけで固定に飛びつかず、自分の残債と残期間で実際にいくら返済額が変わるのかを試算してから判断することです。
まとめ
変動金利が0.5%から1.5%へ1%上がると、残債3000万円・残30年では毎月の返済額が約1万4000円増える計算です。ただし5年ルール・125%ルールにより返済額の急増は緩和される仕組みもあり、フラット35が2.49%まで上がっている現状では、今すぐ固定に切り替えると逆に毎月の負担が増えるケースもあります。
今後の金利動向に注意しつつ、自分のローン残高と家計の余裕を踏まえて、冷静に判断していきたいところです。
出典
住宅金融支援機構 最新の金利情報:長期固定住宅ローン【フラット35】
執筆者 : 上野梓
FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー