ペアローンを「世帯年収1200万円」で組んだ夫婦…妻が育休で「月収30万円→手当15万円」に激減し、夫が“妻のローン10万円”を肩代わりしたら、夫婦なのに贈与税を取られる!? 課税回避の方法とは

配信日:
この記事は約 2 分で読めます。
ペアローンを「世帯年収1200万円」で組んだ夫婦…妻が育休で「月収30万円→手当15万円」に激減し、夫が“妻のローン10万円”を肩代わりしたら、夫婦なのに贈与税を取られる!? 課税回避の方法とは
夫婦共働きでペアローンを組んでマイホームを購入した後で、産休・育休によって一方の収入が育児休業給付金のみに減ることがあります。その際、「育休中のローン返済は自分が肩代わりする」という対応を考える夫婦も少なくないかもしれません。
 
しかし、この対応には税務上の注意点があります。ペアローンの仕組み上、一方が他方のローン返済を肩代わりすると、贈与税の課税対象とみなされる可能性があるのです。本記事では、ペアローンの肩代わりに贈与税が発生する仕組みと、リスクを避けるための対策についてFPが解説します。
高橋祐太

2級ファイナンシャルプランナー技能士

夫婦の助け合いが「みなし贈与」になることがある

ペアローンとは、夫と妻がそれぞれ「自分名義の住宅ローン」を個別に組む契約のことです。この場合、妻が毎月返済している分は、あくまで「妻個人の借金」という扱いになります。
 
そのため、夫が妻のローン返済分を肩代わりして支払ったり、返済資金として毎月お金を振り込んだりすると、夫から妻へ借金返済のための資金を無償で渡したことになり、贈与税の課税対象とみなされる可能性があります。
 
これは一般に「みなし贈与」と呼ばれ、ペアローンの返済を一方が肩代わりするケースで贈与税が問題になり得るとされています。
 
贈与税には、「年間110万円」の基礎控除(非課税枠)があります。例えば、月10万円を1年間肩代わりすると合計120万円となり、この枠を超えます。育休が2年間に及んだり、ボーナス払いが含まれたりすると、超過分に対して税率がかけられ、数万円から数十万円の贈与税が発生する可能性があります。
 

課税を避けるための「2つの方法」

以下のいずれかの方法をとることで、贈与税の発生を避けながらこの時期を乗り切ることができます。
 

方法1:生活費の分担を「夫100%」に変更する

国税庁のサイトによると、夫婦間で「日々の生活費」を渡すことは贈与税がかからないとされています。ただし、これは「生活費として必要な都度、直接それに充てるためのもの」に限られます。
 
育休中は食費や光熱費などの生活費を夫の収入から多く負担し、妻は育休手当の中から自分名義のローンを返済するという役割分担にすれば、夫は生活費を負担しているだけになるため、贈与税の問題は生じにくくなります。
 

方法2:妻の「独身時代の貯金」から返済する

結婚前から貯めていた個人の貯金がある場合は、そこから返済する方法です。自分のお金で自分の借金を返すことになるため、贈与税の問題は生じません。
 

まとめ

ペアローンは、借入可能額を増やせるメリットがありますが、一方の収入が減ったときに柔軟な対応がしづらいというデメリットがあります。
 
夫婦間の助け合いであっても、ローンの直接的な肩代わりは贈与とみなされる可能性があるため注意が必要です。育休中は、「夫が生活費を多めに負担し、妻は手当から自分のローンを払う」という役割分担を意識するなど、状況に合った対応を検討するとよいでしょう。
 
金額が大きい場合や判断に迷う場合は、税理士やFPに相談することをおすすめします。
 

出典

国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
 
執筆者 : 高橋祐太
2級ファイナンシャルプランナー技能士

  • line
  • hatebu

LINE