更新日: 2020.07.03 住宅ローン
年収500万男が住宅ローンを組む際、返済比率はどのぐらいに抑えるべきなのか
今回は、住宅ローンを借りるときの注意点などを見ていきたいと思います。
執筆者:吉野裕一(よしの ゆういち)
夢実現プランナー
2級ファイナンシャルプランニング技能士/2級DCプランナー/住宅ローンアドバイザーなどの資格を保有し、相談される方が安心して過ごせるプランニングを行うための総括的な提案を行う
各種セミナーやコラムなど多数の実績があり、定評を受けている
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住宅ローンのタイプを知ろう
現在の住宅ローンのタイプは非常に多くなっていますが、大きく分けると3つのタイプになると思います。
1つ目は借入期間の全期間の金利が固定の全期間固定金利型住宅ローンですね。代表的なものは、住宅金融支援機構のフラット35です。
ちなみに、住宅金融支援機構によると2018年10月から2019年3月までに民間の住宅ローンの借り入れされた方の約9%がフラット35を利用しているようです。
2つ目としては、変動金利型住宅ローンです。こちらは借入期間の間の金利が変動するもので、一般的には4月と10月の半年に一度見直され、返済額は5年ごとの見直しとなります。
基本的には、変動金利の方が他の金利に比べ低くなります。2018年10月から2019年3月までに民間の住宅ローンを借り入れされた方の60.3%の方は、この変動金利型住宅ローンを選ばれているようです。
3つ目は、固定期間選択住宅ローンです。固定期間選択型は固定期間が2年から10年、20年と借入期間のうちの決まった期間だけ固定期間になっているもので、金融機関によって固定期間が終了したときの対応が異なります。
再び固定期間を選択できたり、変動金利型になったりするので、借り入れをする際には固定期間終了後についても確認しましょう。
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本当に変動金利はよいのでしょうか
ではなぜ、変動金利型住宅ローンが多く選ばれるのかというと、やはり他のタイプの住宅ローンよりも金利が低いという点があるのではないでしょうか。
現在の変動金利は0.450%~4.475%(住宅金融普及協会参照)と4%の差がありますが、店頭表示金利から条件を満たせば優遇金利を受けられる商品が多いようで、店頭表示金利は2.475%が多く採用されているようです。
変動金利の特徴としては、前述したように半年に一度、金利が見直しされますが、返済額が変わるのは5年に一度です。
さらに、金利が上昇し5年ごとの見直しの際に返済額が大きく上がってしまった場合でも上昇幅は1.25倍までと制限があります。それ以上に上がってしまった場合には、不足分を先に返済してくために借り入れ元金の支払いは少なくなってしまいます。
仮に返済額が10万円だった場合に、金利が上昇した場合には12万5000円になる可能性があるということを考えておく必要があります。逆に5年の間に金利が下がった場合には、繰り上げ返済を自動的に行っていることとなるというメリットもあります。
変動金利型を借りる場合には、この返済額の変動を考えておく必要があります。さらに今後、景気が上向いた場合は金利が上昇すること、家族構成によっては生活費などが増えていき、変動金利の返済額の上昇と生活費の上昇という負担増になる可能性も考えておきましょう。
また、金利が一番低いのが変動金利と前述しましたが、金利が上昇したときもやはり変動金利が一番低い金利となっているのが一般的で、金利が上がったときには固定期間選択型住宅ローンに変更すればよいと思われていても、そのときには固定期間選択型の金利も上昇していることが考えられます。
固定期間選択型は4分1の方が利用
変動金利型住宅ローンの次に多く利用されているのが固定期間選択型住宅ローンですが、固定期間選択型には固定期間の長さを選ぶことができます。
最短は2年からですが、2018年10月から2019年3月までの借り入れをされた方では、10年固定を選ばれた方が固定期間選択型住宅ローンを選ばれた方のほぼ半分を占めているようです。
固定期間選択型住宅ローンは、固定期間は優遇金利の適用となっているものも多く、金融機関によっては固定期間が終了した後は、優遇金利が無くなったり、優遇が減少したりする金融機関もあります。
固定期間選択型住宅ローンを選ぶときには、固定期間終了後の条件などもしっかり確認しておく必要がありますね。短期の固定期間選択型では金利は低いですが、金利の見直し時期が短いので、短期間で金利が上昇してしまうという可能性もあります。
全期間固定型住宅ローン
全期間固定型の住宅ローンは、文字通り借入期間中は金利が固定されています。長期で金利が固定されるので、金融機関としても高めの金利を設定しています。しかし、現在のような超低金利時代には以前では考えられない程の低金利になっています。
住宅ローンを借りられる方の多くは、いかに返済利息を少なくして返済しようと思われるでしょうが、借入期間中に金利が変わらないという点で、安心して返済計画や将来の計画が立てやすくなるというメリットがあります。
また今後予想されるのは今後の金利上昇ですね。特にマイホームを購入される方にはご結婚され、お子さまが小さいご家庭も多いのではないでしょうか?
生活費や教育費の増加も予想され、変動金利や固定期間選択型の住宅ローンを選んで、生活費等の増加に合わせて住宅ローンの返済額が増えると、家計も苦しくなってしまう可能性があります。
ご自身にあった住宅ローンとは
それでは、どの住宅ローンを選ぶとよいのでしょうか?まず、住宅ローンを借りる際に考えていただきたいのが、返済比率というものです。返済比率は年収(月収)に対する住宅ローン返済額の比率です。
例えば、年収500万円の方の場合で、住宅ローン返済額が月額10万円だとすると(10万円×12ヶ月)÷500万円=0.24となり、返済比率が24%ということになります。
FPや住宅ローンアドバイザーとして、「返済比率は20%~25%の範囲内で抑えておいた方がよい」とアドバイスをさせていただいております。この比率が高くなると、前述したように、支出が増える時期に住宅ローン返済も厳しくなってしまうことが予想されます。
返済比率を低く抑えるために変動金利にした場合も、将来金利が上がってしまうと返済比率が上がってしまいますね。
住宅ローンを借りるときに、一番重要なのはこの返済比率が常にゆとりあるということです。金利上昇や生活費、教育費など支出が増える可能性がある場合には、返済比率を低く抑えるようにして住宅ローンを借りましょう。
先ほどの返済比率の例では24%と25%以下になっていますが、変動金利で借り入れていた場合で、返済額が上限の1.25倍になった場合には(12.5万円×12ヶ月)÷500万円=0.3と30%になってしまいます。
また、この年収500万円は税込みで考えますから、手取り額で考えると約年収の8割程度になり、400万円のうち150万円が住宅ローンの返済額となってしまいます。その上で、教育費の準備や老後資金の準備なども考えていく必要があります。
変動金利、固定期間選択型、全期間固定型とそれぞれメリットはありますが、人生100年時代に長い視点でローン返済を考える必要がありますね。
出典
住宅金融支援機構「2018年度民間住宅ローン利用者の実態調査【民間住宅ローン利用者編】(第2回)」
住宅金融普及協会HP
執筆者:吉野裕一
夢実現プランナー
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