住宅ローンを借りる時に保証人は必須? 注意点を解説
配信日: 2020.03.01 更新日: 2020.07.03
しかし、必ずしもそうとは限りません。そこで、住宅ローンを借りる時に保証人が必要かどうかについて、注意点を交えながら解説することにします。
執筆者:伏見昌樹(ふしみ まさき)
ファイナンシャル・プランナー
大学卒業後公認会計士試験や簿記検定試験にチャレンジし、公認会計士試験第二次試験短答式試験に合格や日本商工会議所主催簿記検定1級に合格する。その後、一般企業の経理や県税事務所に勤務する。なお、ファイナンシャル・プランナーとして、2級ファイナンシャル・プランニング技能士・AFP合格した後、伏見FP事務所を設立し代表に就き今日に至る。
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住宅ローンを借りる時には原則、保証人不要
金融機関などで住宅ローンを借りる場合は、保証人を立てることを条件と思われる方もいると思います。しかし、現実的には、夫婦の収入を合算してローンを組む「ペアローン」を利用する場合などを除き、不要となるケースが多いです。理由としては、住宅ローンの貸し手である金融機関にとって、借り手である住宅購入者の住宅自体が担保となっており、貸し倒れリスクが回避されるからです。
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ややこしい3つの違い
「保証人」という言葉はよく聞くと思いますが、「連帯保証人」「連帯債務者」「保証人」の違いが分からないという人もいると思います。そこで、3者の違いを解説します。
連帯保証人
「連帯保証人」とは、債務者が、住宅ローンなどの借り入れの返済をしないときに、保証人として債務者と連帯して債務を負う者をいいます。また連帯保証人は、債務者の支払い能力にかかわらず、金融機関から請求された場合は返済をする義務があります。さらに、後述する「保証人」と異なり、連帯保証人には「催告抗弁権」と「検索の抗弁権」がありません。
連帯債務者
「連帯債務者」とは、主に債務の支払い義務を負う「主たる債務者」以外に、債務者が複数いる場合で、住宅ローンなどを一緒に返済する人のことを意味します。これは、主たる債務者のほかに、連帯債務者にも債務の支払い義務が生じることを意味し、債権者は、両者に債務の請求ができます。
保証人
「保証人」も連帯保証人同様、借り入れ(住宅ローン)をした本人に代わって返済の責任を負います。ただ、保証人は連帯保証人と異なり、債権者から支払いの請求を受けたときに「本人へ先に請求してくれ」などと主張する権利(催告の抗弁権)、「本人の財産から先に差し押えなどを執行してくれ」などと主張する権利(検索の抗弁権)があります。
例外で連帯保証人や連帯債務者が必要となるケース
前述した通り、住宅ローンを借りる際は、「連帯保証人」や「連帯債務者」は、「原則」必要としませんが、「例外」として以下の場合に必要になる可能性があります。
「連帯保証人」が必要となるケース
(1)夫婦などの収入を合算して住宅を購入し、夫(妻)が主たる債務者となり、妻(夫)が連帯保証人となる場合
(2)親などの親族の名義の土地に住宅を建てる場合に、親などの親族が連帯保証人となる場合
(3)夫婦など、同居している親族が住宅ローンを利用する時、夫婦など同居している親族の両者が連帯保証人となる場合
(4)代表者が住宅ローンの名義人となり、購入する土地や物件の共有者が連帯保証人となる場合
「連帯債務者」が必要となるケース
(1)夫婦で収入を合算して住宅ローンを利用し、夫婦両者で住宅ローン控除を受ける場合
(2)フラット35で住宅ローンを組み、親子リレーローンを利用する場合
連帯保証人・連帯債務者のリスク
連帯保証人や連帯債務者には、以下のようなリスクがあります。
連帯保証人のリスク
(1)借り入れ(住宅ローン)をした本人と同じ責任を負わなくてはならない
(2)債務者が自己破綻した場合、連帯保証人の借金は帳消しにならないため、一括返済を要求される
(3)夫婦のどちらかを連帯保証人とした場合、離婚によって妻(夫)が連帯保証人の解除を申し出た場合でも、金融機関に解除の承諾を得ることが難しい
連帯債務者のリスク
(1)いずれかが返済不能になり返済を肩代わりすると、贈与税が発生する
(2)基本的に、 団体信用保険が主たる債務者しか入れないため、連帯債務者は加入できないことが多い(フラット35(デュエット)を利用すれば、夫婦で団信に加入できるが、金利が上乗せされる)
Q&A
「連帯保証人」などに関するQ&Aを記しておきますので、確認してみてください。
離婚した場合、連帯保証人はどうなりますか?
A 離婚しても連帯保証人を抜けることができません。連帯保証は、住宅ローンが完済したときに解除されます。それでも連帯保証人を抜ける方法としては、以下の方法があります。
(1) 夫(妻)単独収入(年収)で、住宅ローンの借り換えをする
(2)一定以上の収入のある人に、代わりの連帯保証人になってもらう
(3)住宅ローン相当分の固定資産を担保にする
まとめ
「住宅ローン」を利用する場合、「連帯保証人」「連帯債務者」「保証人」といった用語が出てきて、これらの違いを理解する必要があります。
正しい理解をもってこれらを利用しないと、思わぬトラブルを招くことになります。十分に確認し、理解したうえで、これらの制度を利用するようにしましょう。
執筆者:伏見昌樹
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