最終更新日:2019.01.10 公開日:2017.12.09
老後

2018年介護費用の負担が大きくなる?その対象はこんな人

2018年、高所得者の介護費用の負担が大きく増えます。介護にかかる費用を軽減する制度は、高額介護サービス費、高額医療合算介護サービス費などさまざまあります。これらは申請しないと利用できません。まずは、使える制度はしっかり使うのが基本です。その他にも、裏ワザ的方法もありますので紹介します。
新美昌也

執筆者:

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

詳細はこちら
新美昌也

執筆者:

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
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負担増となる介護保険の改正ポイント

2018年4月以降に実施予定の介護保険の改正事項のうち経済的に影響のある主な内容をみてみましょう。
 
〈高所得者の負担割合が3割負担へ〉
現在、65歳以上で介護サービス費の自己負担割合が2割の人のうち、特に所得の高い人の自己負担割合が2018年8月から3割になります。具体的には、年金収入等(目安)が単身者で340万円以上、2人以上で463万円以上が3割負担になります。ただし、3割負担の人でも高額介護サービス費(※)によって自己負担の上限が月額4万4400円に抑えられていますので、忘れずに申請しましょう。
 
※高額介護サービス費
1か月に利用した介護サービス費の自己負担額が、所得に応じた限度額を超えた場合に、超えた分が申請により払い戻されます。現役並み所得者(課税所得145万円以上)の世帯の限度額は4万4400円です。なお、介護保険の給付対象外の利用者負担分や福祉用具購入費または住宅改修費の自己負担分(原則1割)は高額サービス費の対象となりませんので注意しましょう。
 
〈大企業の社員の介護保険料負担が増えます〉
40歳~64歳の会社員などの保険料は、勤務先と加入者から徴収され、国に介護納付金として納付されます。従来、この介護納付金は、加入者の団体(健康保険組合、けんぽ組合など)の人数に応じた額でした。

これを加入者割といいます。これが、2017年8月から段階的に報酬額に応じた額になりました(総報酬割)。総報酬割の比率(残りは加入者割)は2017年8月から50%、2019年度から75%、2020年から100%になります。総報酬割により、年収が高い人が多い健康保険組合の介護保険料が2017年8月より段階的に引き上げられています。
 
〈70歳以上の高所得者の高額医療合算介護サービス費の自己負担限度額が増える〉
1年間(毎年8月1日~翌年7月31日)の医療保険と介護保険の自己負担額が、所得に応じた限度額を超えた場合、超えた分が申請により払い戻されます。現在、「70歳未満を含む世帯」のうち「現役並み所得者」は3区分されています。
 
具体的には、会社員等の場合、(1)月収28万円以上53万円未満、(2)53万円以上83万円未満、(3)83万円以上です。自己負担限度額は、それぞれ、(1)67万円、(2)141万円、(3)212万円となっています。一方、「70~74歳のみの世帯」、「75歳以上の世帯」とも「現役並み所得者」は1つの所得区分で、自己負担限度額は67万円です。2018年8月以降、この部分が「70歳未満を含む世帯」同様の区分に細分化される予定です。
 

「世帯分離」で負担額を下げる

介護費用の軽減制度は世帯ごとに適用されるケースが多いです。所得が低いほど負担額が軽くなっています。所得の少ない高齢の親と同居している場合、通常は世帯も一緒になっていると思います。
 
そうすると、子どもの所得も一緒に判断されるので、所得の高い世帯と判断され、親の介護費用を大きく減らすことができません。そこで、裏ワザ的によく行われているのが「世帯分離」です。
 
世帯分離といっても別居を意味するわけではなく、同じ住所で、世帯主を2人にするにすぎません。
 
さて、「世帯分離」ができれば、所得の少ない老親は別世帯になりますので、軽減制度の恩恵を大きく受けられる可能性があります。なお、介護保険施設での食費や居住費の軽減制度(補足給付)については、夫妻が世帯分離しても、配偶者のどちらかが住民税課税世帯などであれば、改正により補足給付は受けられなくなりました。「世帯分離」はメリットばかりではありません。
国民健康保険料などは増える可能性があります。「世帯分離」のメリット・デメリットはご担当のケアマネージャーに相談してみてください。

その他の負担軽減策

医療費控除などの所得控除を活用することによって、所得が低くなり、介護保険上の各種軽減制度の「非課税世帯」や「低所得層」になり、介護費用の負担を軽減できます。主な所得控除のポイントは以下の通りです。
 
〈医療費控除〉
居宅介護サービスには、訪問介護などの福祉系サービスと訪問看護などの医療系サービスがあります。このうち、医療系のサービスを利用した場合の利用料(原則1割負担)は医療費控除の対象となります。福祉系のサービスは医療系のサービスと併用する場合のみ対象となりますので注意してください。
意外と知られていませんが、施設系サービスについては、介護療養型医療施設、介護老人保健施設は食費・居住費を含む施設サービス費の全額が、介護老人福祉施設は半額が医療費控除の対象となります。また、おむつ費用も医師の「おむつ使用証明書」があれば対象となります。
 
〈障害者控除〉
障害者手帳を持っていない方でも、65歳以上の方で手帳の交付基準に準ずる状態と認められる場合は障害者控除の対象となります。準じると認められた場合、自治体から「障害者控除対象証明書」が発行されます。
 
〈社会保険料控除〉
介護保険料は、全額、社会保険料控除の対象となります。なお、年金から天引きにより保険料を納付している人については、被保険者本人の申告に限り、控除が認められます。
 
Text:新美昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。
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