更新日: 2019.01.10 介護

親が60歳になったら?! 今から考えたい介護のこと

執筆者 : 下中はなえ

親が60歳になったら?! 今から考えたい介護のこと
自分には関係ないと思っていても、やがてやってくるかもしれない介護の問題。
 
親に対して何をしてあげたらいいの?、どのくらいお金がかかるの?など、わからないことだらけですよね。今回は、はじめに押さえておきたい介護の基本について、一緒に見ていきましょう。
 
下中はなえ

Text:下中はなえ(したなか はなえ)

FPwoman Money Writer’s Bank 所属ライター

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業)
第一種証券外務員、内部管理責任者
2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は東京において、資産運用や税制等多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っている。
 
《FPwoman 貯金美人になれるお金の習慣》
エフピーウーマンは、女性ファイナンシャルプランナーによる、女性のためのお金の総合クリニックです。当社の所属ファイナンシャルプランナーは全員が女性。家計管理、資産運用、不動産、保険、年金など幅広いお金の知識と、女性ならではの視点から、人生をより豊かに、キラキラと輝かせるための「お金の教養」を伝えています。http://www.fpwoman.co.jp/contents/

実は身近な介護の問題

いつも元気でいるのが当たり前だと思っていても、あなたのご両親や義理のご両親は、毎年年齢を重ねています。
 
ちょっと転んだ時に骨折をしてしまったり、健康診断が再検査になり検査入院することになったりと、年齢を重ねた親にはいつ起こってもおかしくない出来事ですね。
 
20代、30代の女性は、ご自身の仕事や、結婚・出産などライフイベントが盛りだくさんで、なかなか後回しになってしまう親のことですが、実はとっても身近な介護の問題。そこまで問題が深刻化していないうちから準備をし、心構えをしておくことがポイントです。
 
親が会社を退職したり、60歳になった段階で、考えておくべき介護の基本について、見ていきましょう。
 

こんなことも介護です

介護ってどんなことをすればいいの?、そして介護にはどのくらいお金がかかるの?と疑問に思う方もいるかもしれませんが、実家へのお見舞いや、ちょっとしたお使いも介護の一部です。
 
特に、若い女性の方々が直面する親の介護の種類と、それに伴う費用についてご紹介します。
 

親の病院に付きそう

まずは、親と一緒に病院に行くというお手伝い。親の具合が悪かったり、怪我をしている場合、一緒に病院に行ってあげたいと思う方も多いはず。
 
また、詳しい病状や今後の治療方針などについて、一緒に病院に行って、医師から説明を聞きたいと考える方もいるのではないでしょうか。
 
この場合、実質かかる費用は、電車やバス、タクシーなどの病院への交通費ですね。
 
交通費は、患者の年齢や病状からみて、患者を1人で通院させることが危険な場合、患者の通院費のほかに、付添人の交通費(通院のために通常必要なものに限ります。)も、税金の医療費控除の対象となります。確定申告の際には、忘れずに申告するようにしましょう。
 
また、平日に親の病院に付き添うとなると、会社を休んだり、自分の子供をどこかに預けたりしなければならないという事態になることが考えられます。事前に仕事を調整するなどして、周囲の理解をきちんと得るようにしましょう。
 
医療費控除については「確定申告の季節到来!「医療費控除」で 税金を取り戻しましょう!」をチェックしてみてくださいね。
 

入院している親のお見舞い

検査入院や、短期間の入院だとしても、荷物が多くて手続きも大変な入退院。心細くなっている親に寄り添い、少しでも力になりたいと思う方も多いはず。会社帰りに病院に駆けつけるなんてこともあるかもしれません。
 
入院している親へのお見舞いにかかる費用は、病院への交通費ですね。こちらは、医療を受けている人(親)の交通費ではないので、医療費控除の対象外です。
 
さらに、歯ブラシやタオルなどのちょっとした入院グッツのお使いを親から頼まれることがあるかもしれませんが、医療に直接かかったものでなければ、医療費控除の対象にはなりません。
 

親の身の回りの世話

入院をするほどではないけれど、実家で怪我や病気の療養しているケースも考えられます。この場合、娘として、料理や洗濯などの家事を親に代わってお手伝いするという介護が発生します。
 
生活費は親が出す場合、実質的な費用負担はないかもしれませんが、親の身の回りのお世話をするのは、多くの時間がかかりますね。
 
お仕事をしている方の場合、仕事帰りに実家に寄ったり、休日は実家の家事を手伝ったりと、長期間にわたると、精神的にも辛く感じる方もいるでしょう。
 
このような場合は、親の状態によって、公的な家事代行ヘルパーを依頼することができます。要介護に認定されている場合は、無料または格安でヘルパーさんをお願いすることも可能です。
 
現在、親の身の回りのお世話で大変っと悩んでいる方は、まずは親が住んでいる自治体の介護サービスの内容を確認してみましょう。
 

今からやるべき最初のステップ

若い女性に発生しやすい親の介護の内容と、その費用について見てきましたが、結局のところ、介護のために貯金は必要なのでしょうか。
 
20代、30代の若い女性の場合、自分の子供の教育費や住宅購入の資金、さらには自分たちの老後の生活など、自分自身のライフプランのための貯金をすることで精一杯という方も多いはず。
 

「突然」に対応できるお金をしっかりと準備して

まずは、自分でしっかりと生計を立てる(親からの援助に頼らない)という自立が第一歩ですね。そして、親の介護に限らず、何か困った時のために使うお金を毎月少しずつでも貯金していくことが重要です。
 
いかがだったでしょうか。介護の問題で大切なのは、親がどんな老後の生活を送りたいと思っているのか、そして親自身の生活費や老後資金は足りているのかなど、事前に親と話し合うことです。いつかやって来るかもしれないその時に備えて、家族みんなできちんと心の準備をしておくようにしましょう。
 
TEXT:FPwoman 貯金美人になれるお金の習慣
下中英恵(したなか はなえ)
FPwoman Money Writer’s Bank 所属ライター
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業)

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