親の介護が負担にならないために!介護をするために取れる休みは2種類。

配信日: 2019.01.27 更新日: 2019.06.13

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親の介護が負担にならないために!介護をするために取れる休みは2種類。
年末年始は実家に戻り、久しぶりに親と顔を合わせた方も多いのではないでしょうか。
 
誰もが避けて通れない「老い」。いつまでも元気でいてほしいと願いつつ、そのときに慌てないために、いまから知っておきたい「親の介護」について考えてみましょう。
 
大竹麻佐子

執筆者:大竹麻佐子(おおたけまさこ)

CFP®認定者・相続診断士

 
ゆめプランニング笑顔相続・FP事務所 代表
証券会社、銀行、保険会社など金融機関での業務を経て現在に至る。家計管理に役立つのでは、との思いからAFP取得(2000年)、日本FP協会東京支部主催地域イベントへの参加をきっかけにFP活動開始(2011年)、日本FP協会 「くらしとお金のFP相談室」相談員(2016年)。
 
「目の前にいるその人が、より豊かに、よりよくなるために、今できること」を考え、サポートし続ける。
 
従業員向け「50代からのライフデザイン」セミナーや個人相談、生活するの観点から学ぶ「お金の基礎知識」講座など開催。
 
2人の男子(高3と小6)の母。品川区在住
ゆめプランニング笑顔相続・FP事務所 代表 https://fp-yumeplan.com/

介護休暇と介護休業のちがい

親が介護状態になると、仕事を休んで対応する機会が多くなります。介護のために仕事を休む場合、とれる休みには介護休業と介護休暇の2種類があります。その違いを理解したうえで活用したいものです。
 
介護休業……要介護状態にある家族の介護のために、まとまった期間、仕事を休む場合
対象家族1人につき通算93日、3回まで分割して取得が可能
【給与】 無給/要件を満たすことで介護休業給付が支給される(下記参照)
【手続き】 2週間前までに書類提出
 
介護休暇……要介護状態にある家族の介護のために、単発で休む場合
対象家族1人につき 1年に5日まで(2人の場合10日)、半日単位で取得が可能
【給与】有給
【手続き】通常の休暇と同様
 

介護休業給付

上述したとおり、介護休業中に給与は支給されません。ただし、雇用保険の雇用促進給付のひとつとして、要件を満たすことにより「介護休業給付」を受給することができます。
 
支給額……休業開始時の賃金日額×支給日数×67%
 ※上限は33万1650円(平成30年8月1日以降。毎年8月1日に改定) 
 
受給要件……介護休業開始前の直近2年間に被保険者期間が12ヶ月以上あること
【対象外】93日以内に雇用関係終了予定の人、週の所定労働日数2日以下の人
 
支給期間……休業開始日から最長3ヶ月
 
給付制度の利用回数……同じ介護対象者に対して、原則1回
 

介護帰省に伴う交通費

介護の必要な家族が遠隔地にいる場合、移動にともなう交通費も負担になります。症状や精神面の状態によりますが、住み慣れた場所から呼び寄せるのは、お互いにとって新たな問題を引き起こす原因になりかねません。
 
そこで知っておきたいのが、交通費の割り引きサービスです。介護であることを証明する必要がある場合や、会員登録により受けられる割り引きサービス、指定された区間であれば割り引きになる場合など、サービス提供会社によりさまざまです。
 
飛行機の場合、介護による移動であることを事前に登録することで、3~4割(路線、季節、時間による)ほど安くなります。
 
都内で自宅と実家間の定期券を購入されている方もいらっしゃいます。上手に活用し、少しでも負担が軽くなるようにしたいですね。
 

避けたい介護離職

現実問題として、介護離職者は増えています。しかし、「いつまで」が見えない親の介護は、自分自身のライフプランに影響を与えます。
 
公的な制度や地域のサポートを活用しながら、お互いがよりよい状態でいられる環境づくりが大切です。長期戦に備える準備をしましょう。
 

出典:内閣府「介護・看護の理由による離職者数」
 

勤務先による独自の補助がある場合も

勤務先の福利厚生制度も確認してみましょう。「働き方改革」の流れのなかで、介護による有能な人材の離職を防ぐために、各企業がさまざまな対策を進めています。時短や在宅ワークに加え、自己負担額の補助やカフェテリアプラン(※)による補助などを利用できる場合もあります。
 

※カフェテリアプラン

会社の福利厚生制度として、さまざまなメニューから自分に必要な、希望するサービスを選択して利用できる制度。会社は従業員に対して一定額の補助金をポイントとして付与し、従業員はポイントを利用してサービスを受ける。
 

介護費用の負担

人生100年時代、生きるうえでのリスクが高まっています。親として、子に負担をかけないように、自身の最期まで資金計画を考えたいものです。
 
とはいえ、子に面倒をかける場合も多いのが現状です。お互いのライフプランに影響を与えるような負担は、可能な限り避けましょう。ケアプランありきの介護でなく、プランを経済的な面からも検討して、「いくらならかけられるか」「代替できるものはあるのか」など、多方面から検討したいものです。
 
出典:
内閣府:介護・看護の理由による離職者数
 
執筆者:大竹麻佐子(おおたけまさこ)
CFP🄬認定者・相続診断士
 

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