更新日: 2019.01.09 セカンドライフ
ゆとりある老後を送るため、貧困老人にならないための必要事項は「3つの表」
なかなか老後について考えるのは、難しいですよね。 ただ、何が起こるかわからない将来のために、ひたすら貯蓄をするのはストレスの原因にもなりかねません。
内閣府の調査によると、日常生活において悩みや不安を感じている人のうち、53.5%の人たちが「老後の生活設計」について不安を感じているといいます。(内閣府「平成29年世論調査(5)日常生活での悩みや不安」から)
この不安を少しでも軽減するためにも、これからご紹介する3つのツールを使い、表を作成することをオススメします。
Text:川添典子(かわぞえ のりこ)
ファイナンシャルプランナー2級
住宅ローンアドバイザー
明治学院大学英文科卒業後、大手ハウスメーカー就職。
住宅販売の営業職として、顧客開拓、住まいづくりの提案、資金計画相談、販売後のアフターフォローを担当。
仕事を通して、お客様の一番の関心事と不安はお金に関する事だと感じ、ファイナンシャルプランナー2級と住宅ローンアドバイザーの資格を取得。
ハウスメーカーを退職後、暮らしに役立つライターとして、お金に関する知識や情報を提供しています。
1.まずは家族のイベントごとを整理しよう!
家計の見える化をするための、1つ目のツールは「ライフイベント表」です。ライフイベント表とは、家族の将来の予定や夢を実現するためには、いくら必要かを家族の年齢を時系列にした表です。
このライフイベント表で得られるものは、お金が掛かる時期を明確にすることができます。
そうすることで、具体的にどの部分で貯金できるかを把握して、人生設計をイメージすることができます。このイベント表には、学校の入学金や、リフォーム代などの教育・住宅・老後資金の情報を記入します。さらに別枠として、家族旅行や満期保険金などのレジャーや一時的収入金も記入します。
2.家計のお金の動きを見ていますか?
ライフイベント表のどこでお金が掛かって、どこで貯蓄ができるかイメージできたら、次 はキャッシュフロー表を作りましょう。 キャッシュフロー表を作成する目的は、2つあります。
・家計の収入と支出を期間別に把握する
・将来にわたる資金収支と貯蓄残高を確認
いわば、キャッシュフロー表は「将来の家計簿」です。 キャッシュフロー表を作成する上で、必要な項目は以下の4つです。
・年間収入
・年間支出
・年間収支
・貯蓄残高
まず、「年間収入」は、毎月のお給料は可処分所得(手取り)で記入します。 あとは、他の収入があればそれも記入し、年金等も記入しましょう。
「年間支出」は、主に食費等の基本生活費・住居費・保険料・一時的支出・その他支出を記入します。
そして、年間収入から年間支出を引いたものが、年間収支です。 年間収支がプラスになれば黒字で、マイナスになれば赤字になります。 さらに、「貯蓄残高」ですが、金融資産を記入していきます。
3.本当の資産を見える化するには?
ライフイベント表とキャッシュフロー表だけでは、見えないものがあります。それは以下の2つです。
・金融資産・負債状況の確認と資産運用状況
・保険内容の検討や住宅ローン
これらを洗い出すために使うツールが「個人バランスシート」です。バランスシートの作成方法は、資産を現在の時価で評価して、負債はローン残高を記入し ます。表を作成するポイントは、左右の合計額を同じにすることです。
まず左側に記入する項目の例は、こちらです。
・預貯金
・株式等(※時価評価)
・生命保険の解約返戻金相当額
・自宅(時価評価)
・車(時価評価)
※時価評価とは、そのときの価値価格を表します。
例えば、自宅は現状で、売りに出した場合の価格です。 購入時の価格ではないので、注意してください。 そして、右側の例はこちらです。
・住宅ローンや車ローンなどの残債
最後に、資産合計から負債合計を差し引いた純資産を負債合計の下に記入します。
表を作成したら、大切なのは分析して見直すこと
キャッシュフロー表とバランスシート表を作ったら、終わりではありません。しっかりと分析をしましょう。 分析するポイントは、3つのパターンで分析していきます。
〈キャッシュフローの分析〉
・一時的に赤字になってしまうパターン この場合は、原因がどこにあるのかを追求しましょう。例えば、車の購入やリフォーム代などです。
・何回か赤字になるパターン
例として、子どもが高校・大学や専門学校に行く時期が重なったときです。赤字になってしまう場合はこども保険の加入などをオススメします。
・継続的に赤字になってしまうパターン
完全にマイナスになってしまうため、支出を抑えるために根本的に改善策が必要になります。
〈バランスシートの分析〉
・資産と負債のバランス
・時価評価をするので、実質的な財産を把握できる
まとめ
表を作成することで、赤字になってしまう恐怖もあります。 目を背けたくなるかもしれませんが、発見が早ければ早いほど、その分手を打つことができます。
そして、将来の家計簿がわかることで、老後にどれだけお金が必要か予測できますので、貯蓄も計画的にできるでしょう。 これらの表はネットからダウンロードできるものもありますので、ぜひ試してみてください。
Text:川添典子(かわぞえ のりこ)
ファイナンシャルプランナー2級,住宅ローンアドバイザー