首都圏で老後生活を送るには、やりたい事をお金に変えて「自分定年」を延ばす!?
配信日: 2018.02.24 更新日: 2019.01.10
日常生活費、とりわけ賃貸の場合月々の家賃、その後施設に入所することになった場合にどうすればいいかなど、不安材料は挙げるときりがありません。しかし、前提を簡単に変えられない以上、乗り切り方を考えていくことが大切です。
Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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目次
1000万円の貯蓄で生活をする大前提は、働く期間を延ばすことに尽きる
1000万円の貯蓄を、いくらずつ取り崩していくかという話になります。言い換えると60歳を過ぎてからでは、よほどの出来事がない限り、貯蓄額を大幅に積み上げていくのは難しいので、この貯蓄を長く持たせることが唯一無二かつ最大の課題となります。
そしてこれに対する解決策はズバリ「働ける期間をできる限り延ばすこと」につきます。これは以前にもご紹介したことですが、同じようなことが、首都圏であろうと、独身であろうと、夫婦2人であろうと共通することです。
これは、「自分定年」を先延ばしにするか、がこれから老後を迎える人の共通テーマであるかということを示しています。
繰り返しになりますが、「働く=嫌な時間」あるいは「働く=お金と時間に縛られる時間」と考えると、「60歳、65歳でもまだ仕事をしなければならない」などといった仕事に対してマイナスのイメージが強調されているのです。
仕事をすることはそんなにネガティブなことでしょうか? 確かに内容によってはそのようなこともあるでしょう。
「生活のために」と「やりたくないことを嫌々やる」という場面もあったかと思いますが、仕事をやったから楽しかった、充実した時間だった、こんな素敵な人や上司と巡り会えたという、プラスの面もたくさんあったと思います。
嫌々やるのではなく、やりたいことをお金に代え」て「自分定年」を延ばす
自分なりの価値観が出来上がって、成熟した人生の後半となる60歳を過ぎてから、嫌々「お金のために」労務を提供するという考え方から、少しでも「自分らしく」いられる仕事をするという考え方に代えて、自分定年をできるだけ延ばしましょう。
これは必ずしも趣味を仕事にする、という意味ではありません。仕事の内容は、「やっぱり、あまり自分には合っていない」けれど「職場の雰囲気がいい。自分から自然と職場に足が向く」というのであれば、それもプラスです。
朝から晩までの最も人間の活動的な時間帯に、プラスになることをして少額でも貯蓄の取り崩しに歯止めがかかるようにすればいいのです。
貯蓄が3000万円あっても、収入がない人のほうが不安感は大きい
月々入ってくるものがない状態で、ただ取り崩すことしかない場合の不安感は大きいものです。
まして首都圏で、このようなケースであればさらに大きいでしょう。お金の入り口を閉めてしまうのはできるだけ先延ばしにするのが、これから老後を迎える人、特に首都圏にお住まいの人に対してアドバイスできる最優先項目です。
Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)、
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表