約3割が老後に一人暮らし! 孤独や寂しさの悪影響と今から備えておくべき対策とは

配信日: 2022.03.31

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約3割が老後に一人暮らし! 孤独や寂しさの悪影響と今から備えておくべき対策とは
高齢化が進むなかで、一人暮らしをする高齢者の割合も増えています。内閣府の調査によると今や日本における3割近くが高齢者の一人暮らしとなっており、その背景には日本社会の高齢化のほかに、少子化や核家族化が進んでいることも挙げられます。一方、老後の一人暮らしは生活の悪循環を招く可能性もあります。
 
老後の一人暮らしがもたらす悪影響や、今から備えられる対策について解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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老後の一人暮らしがもたらす悪影響

老化の加速

退職した高齢者の一人暮らしの場合、家のなかで人と会話をする機会がなくなり、人とのコミュニケーションが格段に減ってしまいます。そうすると、「理論立てて考える」「感情や言葉で伝える」などの言語能力を使わなくなってしまうことで能力の退化現象が進み、心身の老化の進行が加速する傾向が高まります。
 
また、1人での生活になると、外に出掛けたり身体を動かしたりする機会も減りやすくなるので身体面においても老化が進みやすくなります。
 

栄養バランスの偏り

1人分の分量を自炊するにも手間や費用がかかるため、スーパーやコンビニでお総菜などを買って手軽に食事を済ましてしまう一人暮らしの方も多いでしょう。
 
栄養面を考えて選んでいれば問題ありませんが、一人暮らしだと好きなものを自由に食べても誰かに指摘されることもないため、ついつい栄養面に偏りが出てしまいがちです。乱れた食生活が続くと、さまざまな病気を引き起こしてしまう可能性が高くなります。
 

老後うつ

定年を迎えて社会とのつながりが希薄になることや、パートナーとの死別、子どもの自立などを経て一人暮らしをする高齢者はうつ状態になりやすいともいわれています。環境の変化に加え、家族や仕事のやりがいなどの喪失感を感じたり、体力の衰えを感じて死について考えたり、と気分が沈みがちでふさぎこんでしまうからです。
 

老後の一人暮らしに備えるには約36万円必要?

高齢者の一人暮らしがもたらす悪影響についてお伝えしましたが、このような事態は主に孤独である状況が招いています。一人暮らしであっても「孤独」を感じないようにするには、どのようなことができるのでしょうか。老後に向けて今から備えられる対策として、以下が考えられます。

(1)仕事を続ける
(2)趣味をみつけておく
(3)ボランティアや地域の活動の場に参加する
(4)パートナーを探す
(5)老人ホームの利用を検討する

定年を迎えた後も人との関わりを急に途絶えさせないようにするために、再雇用・再就職ができる職場であればできる限り続けたり、同じ仕事が難しい場合でも新たに始められる仕事を探してみたりしてはどうでしょうか。
 
また、老後でも続けられる趣味をみつけ、趣味仲間をつくっておくのも良いでしょう。最近では、ネットを活用して共通の趣味をもつ人たちが集まれます。その他では、地域の活動の場に積極的に参加して、ご近所の知り合いを増やすこともおすすめです。定期的な行事・イベントにも参加しやすくなります。
 
そのためには、ゆとりのある生活を送るための老後の資金も必要になるでしょう。生命保険文化センターの「令和元年度生活保障に関する調査」によると、ゆとりのある老後の生活費は月額で平均36.1万円というデータもあるので、現役のうちにしっかりと資産形成することをおすすめします。
 
一人で暮らすことには人それぞれさまざまな理由がありますが、一緒に人生を歩むパートナー探しをする方法もありますし、家で一人暮らしをしなくても老人ホームを利用する手もあるでしょう。
 

一人暮らしでも充実した老後を送るために

人生100年時代といわれる現在、できるだけ心身健康的に、楽しく老後生活を送りたいですよね。一人暮らしというと、「孤独」「寂しい」といったイメージもあり不安を抱く方もいらっしゃると思いますが、工夫次第でいくらでも楽しく過ごせます。どんな老後を過ごしたいか今のうちからイメージして、実現するために今何ができるか考えてみてはいかがでしょうか。
 
出典
厚生労働省 2019年 国民生活基礎調査の概況
公益財団法人 長寿科学新興財団 健康長寿ネット 言語能力の加齢変化
朝日生命 老後うつ 老後うつを考える
公益財団法人生命保険文化センター 令和元年度生活保障に関する調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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