更新日: 2022.05.25 セカンドライフ
老後の健康維持に人気の「ウオーキング・登山」費用はどのくらいかかる?
いくら長生きしても健康問題を抱えた状態では、質の高い人生を送れているとはいい難いもの。「ピンピンコロリ」の言葉で表現されるように、寿命が尽きる直前まで元気に生活したいですね。
健康を維持するために欠かせないのは定期的な運動です。特にウオーキングや登山は体にかかる負荷も少ないため、高齢者に高い人気を誇っています。
さて、運動を始めるに当たって気になるのは必要な費用です。どの程度のお金があれば始められるのか、確認してみましょう。
執筆者:木元泰徳(きもと やすのり)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
運動不足は体に良くないの?
そもそもの話ですが、運動不足は健康に悪影響なのでしょうか。
厚生労働省の資料によると、感染症由来の病気を除いた外的要因による死亡者数は、喫煙、高血圧に次いで運動不足が3番目に多くなっています。運動不足は循環器疾患や悪性新生物による死亡と関連していることも指摘されており、定期的な運動と健康には関連がありそうです。
高齢者に人気のスポーツは?
では、実際にどんなスポーツをするべきか、高齢者に人気のスポーツから考えてみましょう。
総務省が2016年に実施した調査によると、60歳から74歳までの高齢者でスポーツ人口が多い種目は「ウオーキング・軽い体操」「器具を使ったトレーニング」および「登山・ハイキング」という結果に。
体に負荷がかからず、自分の体と相談しながら続けられる運動に人気が集まっているようです。中でもウオーキングや登山は、野球やサッカーなど大人数のスポーツより気軽に始められ、ゴルフなどと比べて初期費用・継続費用がかからない点も魅力です。
【図表1】
総務省 平成28年社会生活基本調査より筆者作成
ウオーキングにかかる費用
1位に輝いたウオーキングは、実際にどの程度の費用がかかるのでしょうか。
株式会社TOCREATEITが運営するファッション情報メディア「CUSTOM FASHION MAGAZINE(カスタムファッションマガジン)」が、2021年に行った調査(有効回答数:10代以上のスニーカーを所有している全国の男女1000名)によると、ウオーキングに用いられることの多いスニーカーの購入費用の予算は、5001~7000円円が最も多い結果に。
さらにスニーカーの年間購入数を見ると約6割が1足と回答しており、スニーカーにかかる費用は1万円前後に収まりそうです。ほかにも、ウオーキング用のウエアを購入する場合もありますが、健康維持のための軽い運動として始める場合は、すでに持っている衣類で代用できるので、購入しない選択肢も考えられます。
結果として、足に負担をかけない靴があれば始められるウオーキングは、経済的にも優れた運動といえるでしょう。
登山・ハイキングにかかる費用
3位の登山にかかる費用も確認しましょう。
株式会社山と渓谷社の2017年の調査(有効回答数:ヤマケイオンライン登録会員5756名)によると、1年間で購入した登山用具の費用は、多くの人が3~15万円の範囲に収めているようです。
登山靴・登山用のリュックサック・透湿性の高いウエアなど、初期費用が高額になる傾向はありますが、一度購入すれば長く使える物が多いので、2年目以降はかかる費用を抑えられるでしょう。
老後の健康維持を目標に運動を始めましょう
運動不足と死亡者数の関係から、老後を健康的に過ごすためには運動が大切だとお分かりいただけたと思います。さらに、高齢者に人気のウオーキング・登山について、始めるためにどの程度の費用がかかるのか確認しました。
ウオーキングは靴があれば始められるため費用面でもハードルが低く、登山は装備を整えるために、一定の初期投資が必要であることが分かりました。
健康的な老後生活は大事ですが、経済的に安定した生活も同じくらい大切です。ウオーキングや登山など、費用を抑えて長く続けられる趣味を持って、健康と家計双方に優しい生活を送る方法を考えてみましょう。
出典
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット 運動不足は死亡率に影響するか
厚生労働省 令和2年版厚生労働白書
総務省統計局 平成28年社会生活基本調査の結果より ―生活行動に関する結果― 結果の概要
株式会社TOCREATEIT 好きなスニーカーブランドランキング
株式会社山と渓谷社 ブランドイメージ&登山用具購買動向調査2017 vol.2
執筆者:木元泰徳
2級ファイナンシャル・プランニング技能士