更新日: 2019.01.10 セカンドライフ
『6500万円必要?』妻と2人で100歳まで生きたら老後資金はいくら必要か計算してみた
政府も、「人生100年時代構想会議」を昨年から開催し、人生100年時代を見据えた経済社会の在り方を構想しはじめています。
平成2年の平均寿命は、 男性75.92年、女性 81.90年ですから、確実に、平均寿命が延びていっていることがわかります。人生100年時代も、すぐ、そこに来ていると言えます。
厚生労働省 平成28年簡易生命表の概況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life16/index.html
今回は、夫婦が100歳まで生きた場合、老後資金がいくら必要か計算してみました。
Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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弁護士/東京桜橋法律事務所
第二東京弁護士会所属。
中央大学法学部卒。弁護士登録後、東京桜橋法律事務所に勤務。平成25年以降は同所パートナー弁護士に昇格し、主にIT関連、エンタメ関連の企業法務を中心として、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応している。
座右の銘は「強くなければ生きられない。優しくなれなければ生きていく資格はない。」時には、クライアント自身の姿勢を問うようなアドバイスができるよう心掛けている。
100歳まで生きるといくらかかる?
総務省「家計調査報告」(2017年)によれば、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上,妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の実収入平均は月約21万円、平均消費支出は、月約24万円です。
http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gy02.pdf
支出の平均は、24万円ですが、ゆとりある生活を送るには、月額約35万円が必要だと言われています。(生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/平成28年度)
住宅ローンを65歳までに完済し、65歳からは完全にリタイアして、年金暮らしでゆとりある生活を送ると考えてみましょう。
月間支出35万円 - 実収入月間21万円= 毎月14万円のマイナスとなります。
1年は12カ月ですので、65歳から100歳までの35年分を掛け合わせると・・・
14万円 × 12カ月 ×35年 = 5880万円
となります。上記以外に、ライフイベント費として、家のリフォーム代や、お葬式代、お墓代、お子さんがいらっしゃる場合は結婚のお祝い代、なども考えなければならないでしょう。この、ライフイベント費を仮に600万円と考えてみましょう。
夫婦2人で100歳までゆとりある生活を暮らした場合、6480万円必要という計算になります。
老後資金にそなえた工夫とは?
約6500万円の資金を65歳までに貯金するのは、簡単なことではありません。老後資金にそなえた工夫は、どんなことがあるのでしょうか。
(1)パートで収入を得る
日本では人口減少時代をむかえ、高齢者の求人のニーズも増えてきています。
高齢者は、「シルバー人材センター」、「ハローワーク」、「高齢者向けの人材派遣会社」などで、仕事を探すことができます。派遣会社からの求人は時給で1000円~1500円の仕事が多く、週3日程度でも働くことができます。
週3回、パートで働いたとするとパート収入が1200円×8時間×13日なら、年金に加えて月に12万4800円が足されることになります。
65歳から、10年間パートで働いたとすると、単純計算で、約1500万円になりますから、100歳までの必要老後資金も、約6500万円から、約5000万円まで減少していきます。
(2)貯金の運用
例えば、3000万円の貯金を年利3%の年複利で10年間運用すると、その貯金額は4000万円を超えていきます。大切な老後資金ですから、細心の注意を払った運用が求められますが、適切な運用は検討の余地があると考えられます。
最後に、高齢者に関するお金のトラブルを東京桜橋法律事務所の池田理明先生にお伺いしました。
高齢者をターゲットとした、詐欺的な投資勧誘についてのトラブルについては、毎年、多くの相談が寄せられます。
詐欺を働く人は、表面的には人柄も非常によく、「国の年金など当てにならない。」「年金の代わりになる投資がある。」「まだあまり他の人には知られていないからチャンスです。」「資産が増えれば孫にもたくさん贈与できる。」などと高齢者をくすぶるような文言を使うのが常とう手段です。
元本保証、高利回り実績の商品とうたい、最初は、本当に配当を出すなどして、効果のある運用実績を体験させて本当の話だと信用させます。
丁寧に対応する営業マンを信頼し、さらにもう1口もう1口と出資口数を増やしてしまい、気が付けば、せっかく貯めてきた老後資金のほとんどを投資してしまいます。
その段階で丁寧な営業マンは姿を消してしまい、初めて詐欺であることが判明するケースが多数あります。
簡単な儲け話は、ほぼ実在しません。相手の営業マンを信じるのではなく、しっかり、契約内容、投資の実態をみるようにしてください。また、家族に隠そうとせずに必ず相談することも必要です。
Text:ファイナンシャル フィールド編集部
監修:池田 理明 (いけだ みちあき)弁護士
東京桜橋法律事務所、第二東京弁護士会所属 http://tksb.jp/
IT関連・エンタメ関連の企業法務を中心に、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応