更新日: 2022.07.21 定年・退職
定年後のビルメンテナンスは人気職種? 就業者の年収と平均年齢はどれくらい?
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
ビルメンテナンスの業務内容
ビルメンテナンスの業務は主に以下の種類があり、赴任する施設などによって業務内容が異なります。
業務の種類 | 主な業務内容 |
---|---|
清掃管理 | 床・内壁・天井、トイレ、照明器具などの建物内部清掃、 外壁・窓ガラス、屋上や外回りなどの物外部清掃 |
衛生管理 | 空気環境管理、排水管理、害虫駆除、廃棄物処理など |
運転保守 | 電気やガス、空調、消防用設備の管理など |
点検整備 | 建築構造物・建築設備の点検調査 |
警備・防災 | 建物内の警備、防火防災業務、駐車場管理 |
管理サービス | 受付や案内、エレベーター運転など |
※公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会 「ビルメンテナンス業のお仕事」より筆者作成
上記のようにビルメンテナンスの業務は多岐にわたるため、イメージしていたものと実際の業務内容がまったく異なるということもあり得ます。
定年後にビルメンテナンス業務での就業を希望する場合、これまでの経験や身につけたスキルを踏まえ、自分に合った業務内容であるか求人情報などをしっかり確認して応募することが大切です。
定年後のビルメンテナンスは人気職種なのか?
公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会の調査によると、ビルメンテナンス業務に従事する方(常勤従業員)の年齢別の構成比率では、2019年度で60歳以上の割合が35%となっており、定年後の再就職先として一定の人気がある職種であることが分かります。
その理由の1つに前述したとおり、業務内容が多岐にわたる点が挙げられます。
例えば、定年前に電気機器やガス機器の点検・整備などをしていた方であれば、ビルメンテナンスでは運転保守の業務でこれまで培ってきたスキルを生かすことができます。
もちろん、体力に自信があれば施設の清掃業務や巡回警備などで活躍できますし、逆に体力に自信がない場合でも受付など管理サービスといった業務内容もあります。
ビルメンテナンス業務の就業者の平均年齢はどれくらい?
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、職種の区分で「居住施設・ビル等管理人」の平均年齢は企業規模ごとに52.5歳から55.4歳の間となっていることから、ビルメンテナンスは現場で活躍されている方の平均年齢が高い職種といえるでしょう。
また、2019年度のビルメンテナンス業務での年齢階層別の常勤従業員数(平均値)で最も構成比率が多いのは、35歳から54歳の間となっています。
出典:公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会 「ビルメンテナンス情報年鑑2020」
60歳以上の方の比率が30%以上と考えると、ビルメンテナンス業務は幅広い世代が活躍できる仕事ともいえそうです。
就業者の平均的な年収はどれくらい?
地域などにもよりますが、ビルメンテナンス業務で30歳から50歳程度の方を中途採用する場合、募集時の平均賃金(月給)は一般清掃で約19万4000円、設備管理で約23万7000円、警備では約19万1000円となっています(2021年度)。
出典:公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会 「ビルメンテナンス情報年鑑2022」
ビルメンテナンスの仕事は、幅広い年齢層の方が従事できる反面、平均的な給与の水準はそう高くはないようです。
定年後の再就職先としてビルメンテナンス業は検討の余地あり
ビルメンテナンスは業務の内容が広く、多様な年齢層の方が従事していますが、中でも60歳以上の高齢者の方が30%を占めており、定年後の再就職先として人気を集めているようです。
平均的な収入こそ高くはありませんが、定年後の再就職先について考える際、業務内容が自分に合っている場合は検討する余地は十分にありそうです。
出典
公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会 ビルメンテナンス情報年鑑2022
公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会 ビルメンテナンス情報年鑑2020
公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会 ビルメンテナンス業のお仕事
政府統計の総合窓口 賃金構造基本統計調査 / 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
執筆者:柘植輝
行政書士