更新日: 2022.09.11 その他老後
離婚する夫婦の3割以上が熟年離婚! 熟年離婚する前に考えておきたいお金の問題
しかし、熟年離婚する場合、財産分与や相続、老後の年金など複雑なお金の問題を解決しなければなりません。
本記事では、熟年離婚の現況や考えておくべきお金の問題について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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熟年離婚の件数
熟年離婚の定義は明確になっていませんが、目安としては、婚姻期間が20年以上の夫婦、または40代後半(45歳)~60代後半(69歳)の中高年世代の離婚を「熟年離婚」と捉えるのが一般的です。
年代別の離婚率に関しては、厚生労働省による「人口動態調査」の「夫妻の別居時の年齢(5歳階級)別にみた離婚件数百分率」から確認できます。
2020年のデータによると、40代後半(45歳)~60代後半(69歳)で離婚した人の割合は、男性が35.7%、女性が29.3%となっており、離婚する夫婦の3割以上が熟年離婚とする見方が、おおむね正確であることが分かります。
このように熟年離婚が増加した背景には、少子高齢化のほか、後述する年金分割制度(2007年施行)の影響もあったものと想定されます。
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熟年離婚後のお金の問題
熟年離婚する際に重要な問題となるのが「お金」です。熟年離婚する夫婦は年齢的に若くないので、離婚後、積極的に働いて収入を上げていくのが困難です。
その一方、築き上げてきた財産は多いため、夫婦の間でどのように割り振られるのか、しっかりと把握することが大切です。
以下に熟年離婚の際、特に問題となりやすい「財産分与」と「年金分割」の2点について解説します。
財産分与
財産分与とは、婚姻期間中に夫婦が築いた財産を割り振ることです。
基本的に、夫と妻で2分の1に割り振りますが、熟年離婚のように婚姻期間が長いケースでは、築き上げた財産が多く、預貯金のほか住宅や車、退職金などさまざまな種類が考えられます。
住宅や車といった財産は、現金と違い均等に割り振ることができないため、売却して現金化するなどの方法をとりますが、お互いが納得できる分割方法を見つけるのが困難なケースも考えられます。
また、退職金は支払われた方が全額受給できると考えられがちですが、婚姻期間中に積み上げられた退職金は財産分与の対象です。
しかし、退職金の計算方法は複雑であるうえ、結婚前に働いていた期間は除外となるため、夫婦で認識の違いが出ないように注意しなければなりません。
年金分割
年金分割とは、離婚後に配偶者の一方の年金保険料の納付実績を、もう一方の配偶者の納付実績として取り扱う制度です。
例えば、夫が会社員で妻が専業主婦という夫婦の場合、年金分割の制度を適用せずに離婚すると、夫は厚生年金と国民年金が受給できる一方、妻は国民年金だけになるので、老後の生活資金に大きな差が生じてしまいます。
しかし、年金分割を適用すれば、厚生年金の2分の1を妻が支払ったものとして扱われるので、専業主婦でも厚生年金が受給できるようになります。なお、このようなケースを「3号分割」といいます。
まとめ
日本では今後ますます少子高齢化が進むため、熟年離婚の件数は増えることが予想されます。
しかし、離婚したい気持ちが先走り、お金の問題に真剣に向き合わなかった場合、離婚後の生活資金が苦しくなり、後悔する可能性も考えられます。
もしも財産分与が難航しそうな場合には、事前に弁護士などの専門家へ相談することをおすすめします。
出典
厚生労働省 人口動態調査(2020年)より 表番号10-8 夫妻の別居時の年齢(5歳階級)別にみた離婚件数及び百分率(2)百分率
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部