更新日: 2022.09.30 定年・退職

iDeCoと退職金、受け取るのはどちらを先にするとお得?

iDeCoと退職金、受け取るのはどちらを先にするとお得?
「iDeCo」には受け取り可能な年齢が決まっていて、退職金を受け取る時期と重なる場合があります。どちらを先に受け取れば良いのでしょうか? 
 
まずは、それぞれの受け取り方法などを知ることが必要です。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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iDeCoと退職金、受け取れる年齢が違うの?

「iDeCo」は加入期間が10年以上で、60歳から受給開始できます。「通算加入期間」が10年に満たない場合、期間に応じて受け取れる年齢が変わります。「通算加入期間」とは60歳の誕生日の2日前の期間のうち「iDeCo」の加入と運用指図・企業型確定拠出年金の加入と運用指図であった期間を合算した年月を指します。
 
例えば、通算加入期間が8年以上10年未満では「61歳以降」、4年以上6年未満では「63歳以降」と受け取れる年齢が先延ばしされます。
 
退職金は勤務先が定める定年年齢によって60〜65歳と幅があります。勤務先の定年年齢と退職金制度を事前に確認しておきましょう。
 

なるべく、自分が受け取るお金を減らさない為には、どうすれば良い?

「iDeCo」と退職金をいつ・どのように受け取るかで「税の課税対象」または「所得控除」となる金額が異なり、自分の手元に残る資産に差が出てくる可能性があります。退職金は、勤続年数によって「退職所得控除」の金額が大きく変わります。
 
勤続20年以下では40万円×勤続年数(最低80万円)、20年以上では800万円+70万円×(勤続年数-20年)です。
 
「iDeCo」の一時金と退職金を同時に受け取った場合、合計金額から「退職所得控除」を引いて、控除金額より上回った金額は「退職所得」として課税されます。同時に受け取らない場合、それぞれに「退職所得控除」が適用されるタイミングがあります。

●退職金を受け取り、15年以上経過してから「iDeCo」を受け取る
●「iDeCo」を一時金で受け取り、5年以上経過してから退職金を受け取る

退職金がどの位の金額になるか試算して、iDeCoと退職金の受け取り時期を調整すると良いでしょう。
 

iDeCoの受け取り方法には、どんな方法があるの?

「iDeCo」の受け取り方法には「年金として受け取る」「一時金として一括で受け取る」「公的年金と一時金を組み合わせて受け取る」の3つのパターンがあります。
 
2022年4月から「iDeCo」は60歳から75歳までの間に、年金または一時金で受け取る請求ができるようになりました。(75歳になるまでに受け取る請求を行わないと、年金での受け取りが出来なくなり、一時金として支払われます)
 
「iDeCo」を受け取る場合は、手数料が差し引かれます。年金の場合には毎月手数料が必要で、一時金の場合には受け取り時だけに手数料がかかります。年金として受け取る場合、公的年金(国民年金・厚生年金)との合計金額を超えない範囲で受け取ると「公的年金等控除」が適用できます。
 
2022年5月からは、国民年金に加入している場合には「iDeCo」を65歳まで引き続き加入できるようになりました。国民年金の被保険者(第1号と第3号被保険者)は、60歳になる前に「再加入手続き」が必要になります。公的年金を繰上げ受給したり、「iDeCo」の老齢給付金(年金・一時金)としての受取を開始すると、「iDeCo」に再加入することはできないので注意が必要です。
 

まとめ

「iDeCo」と退職金の受け取りには、それぞれに控除が適用されるように受け取る計画を立ててみるのが良いでしょう。退職金で老後資金が心もとない場合には「iDeCo」の再加入手続きをして65歳まで積み立てを続けるのもひとつの選択肢です。
 

出典

国税庁 退職金を受け取ったとき
iDeCo 公式サイト
  
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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