要支援の人が要介護にならないために利用できる、「予防給付」とはどんなサービス?

配信日: 2022.11.26 更新日: 2025.10.21
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要支援の人が要介護にならないために利用できる、「予防給付」とはどんなサービス?
介護保険の仕組みのなかで、介護給付とは別に「予防給付」の制度があることを知り、詳細や対象サービスが気になっている人もいるでしょう。
 
予防給付とは、要介護よりも介護度が低い要支援の人が対象の制度です。
 
本記事では、予防給付の概要や対象サービス、給付を受けるまでの流れを分かりやすくまとめました。これから制度を利用しようと考えている人は、ぜひ予習に役立ててください。
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公的介護保険の「予防給付」とは

公的介護保険の「予防給付」は、要介護状態等区分の要支援1・2に該当する人を対象とする給付です。要支援者とは、要支援状態の改善や、状態が悪化して要介護状態になることを防止するのに支援が必要な状態、もしくは原則として6ヶ月にわたって継続して日常生活に支障がある人を指します。
 
予防給付には、月ごとの支給限度額(利用できる介護サービスの限度額)が定められています。介護サービスの単価や支給限度額は「単位」で表される点が特徴です。1単位あたりの金額は地域やサービスの種類で異なります。
 
介護サービスを利用する際、費用が支給限度額内であればサービス単価の1~3割、支給限度額を超えた部分については全額が利用者の自己負担となります。
 
予防給付の支給限度額の単位とかかる費用の目安は、図表1のとおりです(東京都目黒区の例)。
 
【図表1】

区分 支給限度額 かかる費用
要支援1 5032単位 5万320円~5万7364円
要支援2 10531単位 10万5310円~12万53円

東京都目黒区「区分支給限度額(介護保険から給付される一か月あたりの上限額)」より引用
 

予防給付と介護給付の対象サービスの違い

予防給付と介護給付では、対象となるサービスが異なります。予防給付の対象となる主なサービス(介護予防サービス)は、図表2のとおりです。
 
【図表2】

自宅で受けるサービス 施設に通って受けるサービス 施設入居者が受けるサービス 地域密着型サービス
・訪問入浴
・訪問看護
・訪問リハビリテーション
・介護予防訪問居宅療養管理指導
・介護予防福祉用具貸与・販売
・通所介護(デイサービス)
・短期入所生活介護(ショートステイ)
・短期入所療養介護
・特定施設入居者生活介護 ・認知症対応型通所介護(デイサービス)
・認知症対応型共同生活介(グループホーム)
・小規模多機能型居宅介護

厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報公表システム 公表されている介護サービスについて」、兵庫県伊丹市「予防給付について」より筆者作成
 

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予防給付対象サービスを受けるまでの流れ

要支援認定申請から予防給付を受けるまでの流れは次のとおりです。

1. 住んでいる市区町村の窓口で要介護・要支援認定の申請をする
2. 要介護・要支援度の調査・判定が行われ、結果が通知される
3. 介護予防サービス計画書(ケアプラン)を作成する
4. 介護サービス事業所と契約を結び、介護サービスの利用がスタート

市区町村の窓口に要介護・要支援認定の申請をすると、調査員の訪問調査や主治医が提出する主治医意見書などの内容をもとに、要介護・要支援度の判定が行われます。
 
要支援1または2に認定されたら、住んでいる市町村の地域包括支援センターに相談して、どのサービスをいつ、どれだけ利用するかをまとめた「介護予防サービス計画書(ケアプラン)」を作成します。介護予防サービス計画書が作成できたら、計画にもとづいて介護サービス事業所と契約を結び、サービスの利用がスタートします。
 

要支援認定を受けたら予防給付の対象になる

予防給付は、介護保険の要介護状態等区分のうち、支援が必要な身心状態の改善や悪化防止のサポートを必要とする、要支援1・2に該当する人が対象の給付です。介護給付と比べて対象サービスが限られている点が、予防給付の特徴です。
 
予防給付が支給されると、月ごとの支給限度額内であれば対象の介護サービスを1~3割の自己負担で利用できます。予防給付を受けるには要支援認定を受けたのち、介護予防サービス計画書を作成する必要があります。支援の必要を感じたら、まずは市町村の窓口で手続きをしましょう。
 

出典

厚生労働省 要介護認定に係る法令
東京都目黒区 区分支給限度額(介護保険から給付される一か月あたりの上限額)
厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報公表システム 公表されている介護サービスについて
兵庫県伊丹市 予防給付について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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