更新日: 2022.11.29 定年・退職

定年後に地方移住! 各地で受けられる移住支援とは?

執筆者 : 正田きよ子

定年後に地方移住! 各地で受けられる移住支援とは?
都心部の企業に勤めており、定年後は静かな土地に移って、農業をしたり特技や能力を生かして起業したりしたい、などと考えている方もいらっしゃるでしょう。
 
実は、地域によっては手厚い移住支援を行っているところがあります。一例をご紹介します。
正田きよ子

執筆者:正田きよ子(まさだ きよこ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者

この仕事をしている人なら当然なことだけれど、フツウの人にはわかりづらいこと、
これを知っていたらよりよく暮らせるのになぁ、など、
もっと幸せに生きる選択肢があることを、個人相談、メールマガジンやブログなどを通じてお伝えしています。

https://www.reservestock.jp/subscribe/3525

移住支援の取り組み

内閣官房では、人口急減・超高齢化というわが国が直面する大きな課題に対し政府一体となって取り組み、各地域がそれぞれの特徴を生かした自律的で持続的な社会を創生できるよう施策を行っています(※1)。
 
地方創成の施策の1つとして地方移住があり、予算をとって国をあげて移住支援を推進しています。地方へ移住して社会的事業を起業等した場合、最大300万円の支援金を支給するとしています。具体的には地方公共団体が主体となって行われています。
 

移住支援の実例 ~移住希望地第1位 静岡県の移住支援~

認定NPO法人ふるさと回帰支援センターでは、毎年地方移住に関するアンケートを実施しています。
 
最新の2021年(1月~12月)の窓口相談者が選んだ移住希望地は、第1位が静岡県でした。2020年の同調査においても1位だったのは静岡県。温暖な気候で暮らしやすいだけでなく、移住支援が手厚いのではと思われます。移住支援の実例を見てみましょう。
 
静岡県では、「静岡県公式 移住・定住情報サイト ゆとりすと静岡」で情報提供を行っています。
 
県の支援制度として、東京圏から静岡県に移住して就業、起業した方に最大100万円を支給する「静岡県移住・就業支援金制度」、住宅内に新たにテレワークスペースを確保するためのリフォーム(必須工事)や感染予防・家事負担軽減などのリフォームへの補助を行う「テレワーク対応リフォーム補助制度」があります。
 
さらに、市町の支援制度として、温泉地としても有名な伊東市の場合、補助率2分の1、補助上限額100万円の「起業支援および空き店舗対策事業補助金」があります。伊東市では移住検討者へ「伊東市お試し移住支援事業補助金」もあります。現地での情報収集やお試し移住をするために伊東市に滞在する場合、滞在費の一部が補助されます。
 

地方移住して、「こんなはずじゃなかった」となる前に

お試し移住の補助、住まいや就業・開業資金の補助と移住支援金制度は静岡県に限らず、自治体ごとに手厚く用意されています(※2)。
 
ただし、インターネットで公開されている情報は完全ではありません。予算が決まっていてすでに終了していたり、他の支援制度と重ねては受けられなかったり、自治体ごとに条件が異なっていたりとかなり難解です。移住希望地の役場など、制度の窓口へ電話で問い合わせる、現地に行って直接説明を聞くことも大切です。
 
また、移住支援金制度は、地方で暮らし始めるときのサポートです。移住するということは、その地で数年から数十年暮らすことになります。支援金制度が充実していることは地方移住先を選ぶ選択肢の1つでしかありません。リタイア後の地方移住は、そこが自分のついのすみかになる可能性もあります。
 
条件だけで決めず、「ここに住みたい」という気持ちを大切に決め、楽しい地方移住生活を送りたいものです。
 
(※1)内閣官房・内閣府総合サイト 地方創成
(※2)一般社団法人 移住・交流推進機構(JOIN) ホームページ
 

出典

認定NPO法人ふるさと回帰支援センター ホームページ
静岡県公式 移住・定住情報サイト ゆとりすと静岡 ホームページ
静岡県伊東市 ホームページ
 
執筆者:正田きよ子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者

ライターさん募集