更新日: 2022.12.15 介護

親にお金がない! 親の介護費用は子どもが負担するしかない? 利用できる制度や対策は?

親にお金がない! 親の介護費用は子どもが負担するしかない? 利用できる制度や対策は?
親に資産がない場合、将来の介護費用をどう捻出するか心配になる人がほとんどではないでしょうか。子どもである自身が負担を背負わなくてもよいように、利用できる制度を確認しておくと安心です。
 
本記事では、親の介護費用が足りない場合に、利用できる可能性がある制度を4つ取り上げ、特徴などを簡単にまとめました。
 
ぜひ、この記事を手がかりにして、親の介護費用の対策を立ててみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

介護費用は平均でどのくらいかかる?

公共財団法人生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、介護に要した費用のうち、住宅改造や介護用ベッドなど一時的にかかった費用の合計額は平均74万円です。また、毎月支払う金額の平均は、1ヶ月あたり8.3万円です。
 
仮に親の介護が5年間続いたとすると、介護に要する費用の総額は570万円以上、10年間続けば1000万円を超える費用が必要な計算になります。
 

親のお金では介護費用が足りないときの対処方法

親の貯蓄が少なく年金収入にも余裕がない場合、親のお金では介護費用が足りない事態が起こります。
 
そんなとき、子どもが多くの介護費用を負担したり、やむを得ず金融機関から借金をしたりする前に、次のような対策が取れないか検討してみましょう。

・高額介護サービス費を利用する
・生活福祉資金貸付制度を利用する
・リバースモーゲージを利用する
・マイホーム借り上げ制度を利用する

 

高額介護サービス費の利用

高額介護サービス費とは、介護保険サービスの月々の利用者負担額が所得に応じた上限額を超えた場合に、超過分が介護保険から支給される制度です。
 
負担上限額は、所得の区分に応じて個人負担が1万5000円、世帯の負担が2万4600~最高14万100円となっています。高額介護サービス費を受給するには、市区町村への申請が必要です。
 

生活福祉資金貸付制度の利用

生活福祉資金貸付制度とは、低所得者や高齢者、障害者の生活の経済的な支援や、在宅福祉、社会参加を促すことを目的とする公的な貸付制度です。
 
貸し付け対象の世帯には「日常生活で療養または介護が必要な65歳以上の高齢者の属する世帯」が含まれており、介護サービスの利用資金などを借りられます。
 
介護サービスの経費を使途として借りる場合、貸し付け上限額の目安は230万円(サービスを受ける期間が1年以内は170万円)です。連帯保証人を立てれば無利子で借りられますが、連帯保証人を立てない場合も1.5%という低い金利で借りられます。
 
制度を利用したい場合は、住所地の市区町村社会福祉協議会に相談し、申し込みましょう。
 

リバースモーゲージの利用

リバースモーゲージとは、自宅の建物や土地を担保にして資金を借り入れ、債務者の死亡時または融資期間終了時に、担保物件を売却して返済する仕組みです。
 
銀行などの金融機関のほか、都道府県の社会福祉協議会や住宅金融支援機構がリバースモーゲージを提供しています。
 
リバースモーゲージの利点は、お金を借りた後も住み慣れた家で暮らし続けられる点です。反面、集合住宅や2世帯住宅は対象にならないなどの制約もあります。また、年収や返済比率、雇用形態、勤続年数などの審査もあります。
 
自宅が持ち家の場合は、リバースモーゲージを利用できるかどうか金融機関などに確認してみるとよいでしょう。
 

マイホーム借り上げ制度の利用

マイホーム借り上げ制度とは、一般社団法人移住・住みかえ支援機構が運用する、空き家を借り上げて賃貸物件として活用し、オーナーには毎月決まった賃料が支払われる仕組みです。
 
この制度を利用して親の家を賃貸として活用しながら同居したり、介護施設に住み替えたりすることで、毎月の家賃収入を介護費用に充てられるようになります。売却するには資産価値が低いという家でも、収入源になる点もメリットです。
 

介護資金不足を補える制度を整理しておこう

親のお金では介護資金がまかなえない場合、利用できる可能性がある制度は多数あります。制度の種類や利用できる人の条件、管轄している機関などを大まかにでも整理しておくと、いざというときに役立つはずです。
 
子どもが重い負担を背負わず、親は快適な介護を受けられるように、活用できる制度はしっかり活用しましょう。
 

出典

公益財団法人生命保険文化センター 2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査
厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報公表システム サービスにかかる利用料
全国社会福祉協議会 福祉の資金(貸付制度)
東京都社会福祉協議会 生活福祉資金貸付事業
一般社団法人 住宅ローン問題解決支援機構 リバースモーゲージとは?成立する条件・仕組みや流れ、メリット・デメリット(罠)を徹底解説。
一般社団法人移住・住み替え支援機構(JTI)住まない家を活用する
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集