更新日: 2023.01.04 セカンドライフ
定年後に働き続ける理由は「年金だけでは生活できない」が1位! でも年収1000万円以上と以下ではどんな違いがある?
本記事では高年齢者雇用安定法改正の要点と、年収1000万円以上と以下の人の「61歳以降も働きたい」理由の割合などを紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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高年齢者雇用安定法改正の要点
令和3年4月1日に施行された高年齢者雇用安定法改正の要点は、高年齢者の就業機会の確保です。これまでも、企業に対して65歳までの雇用確保が義務付けられていましたが、今回の改正では以下のいずれかの措置を講じる努力義務が新設されています。
・高年齢者雇用安定法とは
少子高齢化が進行する中で経済活力の維持を目的として、働く意欲がある高年齢者が能力を発揮できる環境整備を図るための法律です。
・企業に努力義務が求められる措置
(1)70歳までの定年の引き上げ
(2)定年制の廃止
(3)70歳までの継続雇用制度(勤務延長制度・再雇用制度)の導入
(4)70歳まで継続的に業務委託契約を締結できる制度の導入
(5)事業主が自ら実施したり委託や出資したりする団体の社会貢献事業に、70歳まで継続的に従事できる制度の導入
「61歳以降も働きたい」と答えた年収1000万円以上と以下の人それぞれの理由の割合
同調査によると、回答した2376名のミドル世代(35歳以上)の80%以上が「61歳以降も働きたい」と答えています。その理由については「年金だけでは生活できないから」が63%で全体の1位でした。では、年収1000万円以上の人と以下の人ではどう違うのでしょうか。理由とその割合とともに紹介します。
・年金だけでは生活できない
全体は63%、年収1000万円以上が52%、1000万円以下は71%です。
・定期収入を得られる期間が伸びるから
全体は52%、年収1000万円以上が57%、年収1000万円以下は50%です。
・健康・体力維持のため
全体は51%、1000万円以上が50%、1000万円以下は48%です。
・これまでの経験でまだ会社に貢献できると思うから
全体は44%、1000万円以上が51%、1000万円以下は36%です。
・社会参加を継続できるから
全体は41%、1000万円以上が48%、1000万円以下は36%です。
・人との出会いの機会を確保できるから
全体は39%、1000万円以上が45%、1000万円以下は36%です。
・定年退職すると時間を持て余してしまいそうだから
全体は29%、1000万円以上が30%、1000万円以下は28%です。
・年金受給時期を遅らせることで支給額が増えるから
全体は27%、1000万円以上が26%、1000万円以下は28%です。
・経験・スキルをさらに伸ばせるから
全体は22%、1000万円以上が25%、1000万円以下は17%です。
・技術の継承など、後進を育成したいから
全体は20%、1000万円以上が23%、1000万円以下は18%です。
・仕事が生きがいだから
全体は17%、1000万円以上が15%、1000万円以下は13%です。
70歳まで働くことを選択肢の1つに加えることも必要
「定年延長」に関する調査に回答した2376名のうち、80%が「61歳以降も働きたい」と答えています。その理由は「年金だけでは生活できないから」が全体の1位でしたが、年収1000万円以上の人が52%なのに対して、1000万円以下の人は72%と、収入によって20%もの開きがある点には留意が必要です。
国レベルでは、高年齢者雇用安定法改正によって70歳までの就業機会が確保されています。年金だけでは生活できないと考えている年収1000万円以下の人は、70歳まで働くことを選択肢の1つに加える必要があるのかもしれません。
出典
エン・ジャパン ミドル2000人に聞いた「定年延長」に関する意識調査
厚生労働省 高年齢者雇用安定法改正の概要
日本年金機構 令和4年4月から年金制度が改正されました
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部