2025年にて認知症の高齢者が700万人!?認知症介護で知っておきたいサービス

配信日: 2018.07.01 更新日: 2019.01.10

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2025年にて認知症の高齢者が700万人!?認知症介護で知っておきたいサービス
団塊世代が75歳以上になる2025年には、認知症の高齢者が700万人になるといわれています。
 
65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症になる計算となります。長生きすれば介護や認知症のリスクも高まります。
 
認知症介護は、家族ですべて抱え込むと精神的に行き詰まってしまう可能性もあります。親が認知症になった時、使える公的なサービスを確認しておき、上手に活用しましょう。
 

新美昌也

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

認知症の周辺症状

認知症の周辺症状はさまざまです。徘徊が多くなったり、暴言や「お金が盗まれた」などの被害妄想が出てきたりします。
 
このタイプは、社会的地位が高かった人や高学歴の人が多いようです。対処法としては、暴言などは真に受けないことです。
 
自尊心を傷つけないようにしましょう。本人のできる範囲で何らかの役割を与えたり、褒めたりすると症状が和らぐようです。
 
一方、自分の世界に閉じこもってしまう人もいます。こちらは、自己主張をせず、おとなしかった人がなるようです。
 
このタイプの対処法としてはデイサービスなど上手く活用して、他人と交流を持たせることなどで効果が見られるようです。
 

公的介護保険のサービスを利用する

認知症介護は家族で抱え込むと大変です。介護うつになる人が少なくありません。
 
うつや疲れなどで冷静な判断ができなくなり、要介護者を虐待するケースも珍しくありません。これでは、共倒れです。
 
共働き夫婦が親の介護を抱え込むと、介護離職のリスクがあります。介護離婚に発展するケースもあります。
 
公的介護保険のサービスを上手に活用して自分の時間を確保し、自分を見失わないようにしましょう。居宅サービスの中、デイサービスやショートステイは積極的に活用しましょう。
 

デイサービスの活用法

認知症の人は、日常の生活のリズムが乱れると周辺症状にも悪影響を及ぼし、昼寝をきっかけに昼夜逆転すると家族も大変です。生活のリズムを一定に保つにはデイサービスの活用が有益です。
 
デイサービスはデイサービスセンターなどに通い、入浴や食事の提供、機能訓練などを受けます。
 
昼間活動することにより、適度に疲れ、夜の寝つきもよくなるでしょう。毎日、決まった時間に行くことにより生活のリズムも保つことができます。
 
デイサービスに行っている間、徘徊の心配からも解放されます。通常のデイサービスでも認知症のお年寄りもいるので問題ありませんが、心配であれば認知症対応型のデイサービスもあります。
 
サービスの費用は通常規模のデイサービスで、7時間以上8時間未満利用の場合、要介護2で1日あたり761円(1割負負担)です。
 
認知症対応型デイサービスの費用は、特別養護老人ホームに併設されている施設では、7時間以上8時間未満利用で要介護2の場合1日当たり980円です。なお、食費や日常生活費は全額負担です。
 

ショートステイの活用法

ショートステイは、特別養護老人ホームなどに短期間入所して、介護や日常生活の世話を受けるサービスです。
 
家族の介護疲れや病気、冠婚葬祭、旅行、その他の理由で介護できないときに利用します。連続利用は最大30日ですが、長期間利用すると認知症が進むリスクもあるので、臨時的に利用するといいでしょう。
 
特別養護老人ホームに併設されている施設の場合、サービスの費用は、要介護2のとき多床室は1日当たり652円(1割負担)です。なお、滞在費、食費、日常費は全額自己負担です。
 

在宅介護に限界を感じたら

在宅介護に限界を感じたら、グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の活用を考えましょう。
 
グループホームでは、認知症高齢者を対象に少人数のアットホームな雰囲気の施設で、共同生活を通して日常生活の世話や機能訓練を受けます。
 
料理など自分でできる家事は自分でやるので、認知症の進行を遅らせることができます。見守りの機能も果たしています。
 
認知症の程度が重くなり共同生活を営むのに適さなくなると、退去しなければならない場合もありますので、入居する前に退去条件を確認しておきましょう。
 
サービスの費用は要介護2の場合、1日につき(2ユニット)782円(1割負担)です。家賃や光熱水費、食費などは別途必要です。
 

その他のサービス

要介護2以上であれば、介護保険で認知症老人徘徊感知機能のレンタルを利用することができます。通過センサー型やマットセンサー型があり、玄関を出ようとしたときに知らせてくれます。
 
外に出てしまった場合には、徘徊行動のある高齢者(若年性認知症の方も対象)を介護している人に対し、自治体が民間会社の位置情報提供サービスを利用する際の料金の一部を助成している場合があります。
 
また自治体によっては、介護保険外のサービスとして、認知症高齢者の自宅に見守りや趣味活動の付き添いなどを行うヘルパーを派遣する事業を行っている場合があります。自治体の福祉サービスを調べてみましょう。
 
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。

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