「大企業」「中小企業」「公務員」それぞれ退職金はいくらくらい異なる?
配信日: 2023.03.30
退職金は、企業の規模や勤続年数などによってもらえる金額がそれぞれ異なってきます。ゆとりある老後を過ごすためにも早いうちから知っておくことが大切です。
今回は、大企業や中小企業、公務員別の退職金について詳しく解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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大企業の退職金はいくら?
退職金をいくらにするかといったことは、法律で定められていません。支給の際は、どのような条件や計算で支給するかを、各企業で定めることになります。
ここでは、厚生労働省から出されている「令和3年退職金、年金及び定年制事情調査」の内容から、大企業で支給される退職金の相場についてまとめました。
・大卒
大卒で定年退職まで勤務する場合だと平均が2230万4000円です。さらに、会社に35年勤め続けたケースは、1903万3000円です。製造業で大学卒、勤続35年ですと1744万5000円、満勤勤続は、1508万6000円となっています。
なお、このデータは、労働者数1000人以上の大企業が対象となっています。したがって、勤続年数が延びるほど、退職金は高い傾向にあります。
・高卒
高卒の場合は、満勤勤続が1745万7000円、勤続35年が2017万6000円となっています。製造業の場合、高卒はそれぞれ2277万3000円、2003万1000円です。一般的に大卒よりも高卒の方がもらえる退職金が少なくなります。
中小企業の退職金はいくら?
中小企業の退職金は、東京都令和4年「中小企業の賃金・退職金事情」調査結果の概要のモデル退職金のデータより、大卒で定年まで働くと1091万8000円です。
モデル退職金とは、卒業後すぐに入社し、普通の能力と成績で勤務した場合の退職金水準を指します。同様に高校卒が994万円、高専・短大卒が983万2000円です。
さらに、自己都合退職に比べて会社都合退職の方が多く退職手当をもらうことができます。例として、大卒の勤続年数30年で自己都合で会社を辞めたケースを挙げます。
この場合の退職金は、653万6000円です。一方、会社都合の辞職の際754万2000円なので、100万円程度の差が出ています。
公務員の退職金はいくら?
公務員は、大きく分けて国家公務員と地方公務員の2種類があります。内閣官房内閣人事局の令和3年度退職手当の支給状況のデータから、国家公務員が定年で辞める場合の退職金は、2106万4000円です。
一方、総務省令和3年地方公務員給与の実態のデータから、地方公務員のもらえる金額は、全地方公共団体平均で1275万9000円です。さらに、勤めている自治体によってもらえる金額が変わってきます。
例として、都道府県が1247万1000円、指定都市が1368万6000円です。市は1281万7000円、町村が1256万5000円です。
また、1人当たりの平均支給額を職員区分別にみることで数値が変化します。例として、一般職員の退職金平均が1236万2000円、教育公務員が1268万7000円です。警察官は少し高めで1736万5000円です。
なお、公務員の退職金制度は、会社員とは異なり、法律できちんと定められています。
企業の規模などで退職金は大きく差が出てくる
同じ大卒でも大企業か中小企業で、退職金は1000万円以上違うことが判明しました。一方、警察官や国家公務員は公務員全体で見ると比較的もらえる金額が高い傾向にあるといえます。
ただし、退職金の計算方法は勤めている会社や職種によって異なるので、一度確認しておくとよいでしょう。
出典
厚生労働省 令和3年退職金、年金及び定年制事情調査
東京都 令和4年「中小企業の賃金・退職金事情」調査結果の概要
内閣官房内閣人事局 令和3年度 退職手当の支給状況
総務省 令和3年 地方公務員給与の実態
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部