更新日: 2023.04.19 定年・退職

【2024年3月に定年退職する予定】仕事を続けたほうがいい?60歳になったら考えたい3つの選択肢

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【2024年3月に定年退職する予定】仕事を続けたほうがいい?60歳になったら考えたい3つの選択肢
定年が近づいてくると、「60歳で定年退職する予定だけど、年金を受け取り始めるまで5年ある。仕事を続けたほうがいいのだろうか」と疑問に思うこともあるかもしれません。そこで本記事では、老後の生活費や60歳になったら考えたい3つの選択肢を紹介して、老後にどのように備えたらいいのか解説します。
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定年後にかかる生活費はどのくらい?

退職後に働く機会がない限り、収入はなくなります。年金を65歳よりも前に受け取る「繰上げ受給」をしなければ「5年間無収入の状態」が続くことになります。収入がなくても当然ながら生活費は発生します。実際、どのくらい生活費がかかるのでしょうか。
 
「総務省統計局の家計調査年報(家計収支編)」によると、2021年の65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出は月額22万4436円、65歳以上の単身無職世帯は月額13万2476円でした。
 
夫婦2人暮らしの場合は毎月約22万円(年間264万円)、単身の場合は毎月約13万円(年間156万円)かかります。
 
消費支出すべてを5年間貯金でまかなう場合、夫婦2人暮らしの場合は1320万円、単身の場合は780万円必要です。これらはあくまで生活費なので、実際には冠婚葬祭や家電製品の買い替え、病気やけがで通院または入院する費用が発生する可能性もあります。その場合、1000万円から2000万円以上必要になるかもしれません。
 

仕事を続けたほうがいい?

60歳時点で貯金2000万円近くあればいいかもしれませんが「そんなに貯金がない」と答える人も多いです。
 
「総務省の2人以上世帯の家計調査報告(貯蓄・負債編)」によると、2021年は1世帯当たりの貯蓄現在高は1880万円で前年比5%増でした。
 
この結果から「皆は2000万円近く貯金あるの?」と心配になるかもしれませんが、あくまで平均値です。貯蓄ゼロ世帯を含めた中央値でみると、約1100万円となっています。仮に2000万円近くあったとしても、円安や物価の上昇等で資産価値が目減りする可能性もあるので、安泰とはいいがたいです。
 
そう考えると貯金残高の金額にかかわらず、定年後も何らかの形で年金以外の収入を得ていくことをおすすめします。さまざまな方法がありますが、定年後も企業等に所属して、会社員としてできる限り長く働くことが最も現実的な選択といえます。
 

60歳になったら考えたい3つの選択肢

老後どのように生活していくのか、60歳になったら考えたい3つの選択肢をあげながら考えてみます。
 

1.とりあえず退職金で65歳まで我慢する

「定年退職すると2000万円くらい退職金が出るからそれで生活できるよね?」と考える人も多いかもしれません。
 
しかし、退職金や企業の規模や考え方、勤続年数等によって変化するので、全員一律にもらえるわけではありません。そのなかでもし2000万円近く退職金をもらえる予定があるなら、老後の生活を考える上では大きな武器となります。
 
夫婦2人で月20万円で生活し続けると、5年間で1200万円の支出です。無駄使いしなければ年金を受け取るまで生活できるかもしれません。ただし、これはあくまでシミュレーションであり、実際にその通りの生活ができる保障はどこにもありません。
 
自分自身や家族の病気やけが、引越し等による生活環境の変化、自宅のリフォームや家電製品の買い替えなど、想定外の出費が重なる可能性もあります。
 

2.再雇用を希望して働く

老後も生活費がかかり続けることを考えると、やはり働いて収入を得ることも1つの方法になるでしょう。
 
60歳以上も会社員として働き続けると、引き続き原則70歳まで厚生年金保険に加入し続けます。したがって、収入がゼロにならないだけでなく将来の年金額が増えるメリットがあります。働くことができる間に収入を確保しつつ、将来受け取る年金もコツコツ増やすことで、経済基盤の強化につながります。
 

3.年金の繰上げ支給を申請する

老齢年金は原則65歳から受け取ることができますが、希望すると60歳から65歳の間も受給できます。
 
ただし、繰上げ受給の申請をした時点によって年金が減額され、1962年4月2日以降生まれの場合は1ヶ月あたり0.4%、最大24%減ります。減額幅は一生変わらないのも大きなデメリットです。
 

まとめ

今回は、定年退職後も仕事を続けたほうがいいのか、60歳になったら考えたい3つの選択肢について解説しました。もちろん考え方や状況は人それぞれですが、なるべく長く働いて将来の年金額も増やす戦略をとる方法が、現実的な選択肢かもしれません。
 

出典

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)家計の概要

総務省統計局 家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果- (二人以上の世帯)

日本年金機構 年金の繰上げ受給

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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