更新日: 2023.04.24 定年・退職
【老後資金の貯蓄】定年後の再就職について
本記事では、定年後に再就職をすることでのメリットと、60歳以降に働くことで活用できる制度について説明します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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定年後に再就職するメリット
定年後を迎えた後も働く場合は、「再雇用」か「再就職」のどちらかになります。再雇用はこれまで勤めていた会社に雇用形態を変えて再度雇用してもらうもの、再就職は離職して新しい企業で働き始めるものです。
再就職のメリットとしては、新しい人間関係を作れる、興味のあった職種にチャレンジできるといったものがあります。そのなかでも特に大きなメリットといえるのが、「高年齢再就職給付金」を受け取れることでしょう。
定年後に再就職を決めた方を対象とするもので、毎月の給与に給付金を上乗せできます。定年後は現役世代とは違い、多くの給与を稼げるとはかぎりません。雇用形態が正社員でなければ、賞与をもらえる可能性も低いため、年収が大きく下がってしまいます。
給付金をもらえば、毎月の給与が増えます。生活水準を無理に引き下げる必要もなくなるため、これまで通りの生活を送りながら新しい環境で仕事を始められるでしょう。
再就職を決めたら高年齢再就職給付金の申請を
再就職を選ぶ最も大きなメリットとして挙げられる高年齢再就職給付金ですが、受け取るには申請が必要です。受給金額は新しい職場でもらえる給与によって異なるため、人によって金額が変わると覚えておきましょう。
ここからは、高年齢再就職給付金について詳しく解説します。
減額された給与の補てん制度
高年齢再就職給付金は、退職後に失業保険の基本手当を受け取り、再就職を決めた方を対象とする給付金制度です。再就職後にもらえる月々の給与が、基本手当の日額を30倍にした額の75%未満となる方が対象です。
再就職後にもらえる賃金月額の15%を限度として、給付金を受け取れます。例えば、再就職後に月々10万円の賃金を受け取る場合は、給付金として1万5000円を受け取れます。賃金と合わせれば、毎月11万5000円を得ることが可能です。
定年前と同等の額を受け取れるかは分かりませんが、減額された一定額を補てんできます。給付金を受け取るための要件は以下です。
●60~65歳の一般被保険者
●失業保険の基本手当の算定基礎期間が5年以上
●再就職前日における基本手当残日数が100日以上ある
●1年以上継続雇用してもらえると判断できる安定したところに再就職している
●同じ職種で再就職手当を受けていない
以上の要件を満たす方は、高年齢再就職給付金に申し込んでみましょう。
高年齢再就職給付金の申請方法
高年齢再就職給付金を受け取るには、ハローワークでの申請が必要です。書類の提出は再就職先の企業を通しておこなうため、ご自身で足を運ぶ必要はありません。会社に給付金を受け取りたいと相談すれば、必要書類を提出してくれるため、まずは話してみましょう。
制度を活用して老後資金を貯めよう
定年後に再就職を選べば、新しい職種へのチャレンジ、新たな人間関係、65歳以降の就労可といったメリットを得られます。いずれかに魅力を感じた方は、再雇用ではなく、再就職を選ぶといいでしょう。
年齢の問題から、定年後は現役世代よりも給与が低くなってしまいます。下がった分は高年齢再就職給付金を使って一定額の補てんができるため、必ず申請してください。制度の対象に当てはまれば、定年後も老後資産を貯めていけるでしょう。
出典
厚生労働省 Q&A~高年齢雇用継続給付~
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー