更新日: 2023.05.22 その他老後

70代で「貯金ゼロ」は意外と普通? 70代の貯蓄状況の現実とは?

70代で「貯金ゼロ」は意外と普通? 70代の貯蓄状況の現実とは?
老後破産や老後2000万円問題など、老後の生活を憂う報道が各メディアでなされています。
 
そのような報道を聞くと、多くの方は「高齢者の貯蓄状況ってそんなにひどいの?」と疑問に思われることでしょう。そこで、70代の貯蓄状況について確認してみました。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

70代全体の貯蓄状況はどれくらい?

令和4年度の家計の金融行動に関する世論調査によれば、70代の総世帯のうち、預貯金を有している世帯は97.9%となっており、ほぼすべての世帯が預貯金を有しているようです。
 
そして、預貯金の平均額は737万円となっています。預貯金だけでなく、株や債券など金融資産を保有している世帯は78.2%も存在しています。一方で、金融資産を一切保有していない世帯は21.8%と少数派です。
 
そして、3000万円以上とかなり大きな額の資産を有している世帯が17.6%と最多になっていることも踏まえると、70代における資産状況は、資産を十分に有している世帯とそうでない世帯の二極化となっていることが想定されます。
 
実際、金融資産の保有額は平均で1755万円、中央値でも650万円となっています。いずれにせよ、70代において「貯金が0」という世帯は少数派に属する状況だと言えます。
 

2人以上の世帯に限って見るとどうなる?

70歳代の2人以上の世帯においては、預貯金を有している世帯は98.2%なっているのに対し、預貯金含む金融資産を一切保有していないという世帯はわずか1.3%となっています。
 
預貯金の平均額は814万円となっており、金融資産の保有額は平均で1905万円、中央値で800万円となっています。また、50%以上の世帯が金融資産について700万円以上有している世帯となっています。やはり2人以上の世帯においても貯金額が0円という世帯は珍しいようです。
 

単身世帯に限って見るとどうなる?

単身世帯に限って見ても2人以上の世帯と同様、貯金額が0円という世帯はほとんどいないようです。97.2%が預貯金を保有しており、預貯金を有していない世帯はわずか2.8%となっています。
 
預貯金の平均額は570万円で、預貯金含む金融資産全体の保有額で見ると平均額は1433万円、中央値では485万円となっています。単身世帯においても貯蓄0円というのはかなり珍しいケースであり、普通とは言い難いでしょう。
 

70代で貯金額が0円の状況になったらどうすればいい?

70代で貯蓄が全くない、または、貯金額が0円となった場合でも、生きていくことが不可能なわけではありません。具体的には下記のような方法で生活していくことができるはずです。


・シルバー人材として可能な範囲で働く
・年金と就労収入で生活できるよう無理のない範囲での節約
・家族や親せきを頼る
・最寄りの社会福祉協議会や自治体の相談窓口を頼る
・生活保護の申請をする

貯金が0という状況になる前に行動することが理想ですが、もしその状況に陥ってしまっても焦ったり絶望したりするのではなく、できることを探して行動するよう心がけてみてください。
 
なお、お金に困っている高齢者に対して、投資や給付金が受け取れるなど怪しい話が持ち掛けられることもあります。特に投資にはリスクが伴います。基本的に70代から投資で生活資金を稼ぐことは難しいことを知り、おいしい話にだまされないようにしておいてください。
 

70代で貯金0は普通とは言い切れない

70代であれば、すでに定年して老後の生活に突入している年齢です。貯金額が0円という世帯はほとんどなく、総世帯で見てもほぼすべての世帯において多少の貯金を有しているようです。
 
しかし、十分な貯金や資産を有している世帯ばかりではありません。老後破産などお金に困る高齢者について報道されることが多くなっているように、お金に困る高齢者も少なくありません。
 
老後、お金に困ることは恥ずかしいことではありません。もし、貯金が0円になってしまったら最悪の状況に陥る前に、就労したり、社会福祉協議会に相談したりするなど何らかの方法で解決に向けて行動してみてください。
 

出典

金融広報中央委員会 知るぽると (参考)家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和4年)
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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