60代で貯蓄「2000万円以上」の世帯はどのくらい?「60代の貯蓄のリアル」を確認
配信日: 2023.06.11
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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60代で貯蓄額2000万円以上の世帯の割合
一般的に十分な貯蓄があるとされる「2000万円」を保有する60代はどれくらいいるのでしょうか。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」調査結果によると、60代の貯蓄額の分布は図表1のとおりです。
図表1
貯蓄額 | 単身世帯 | 2人以上世帯 |
---|---|---|
非保有 | 28.5% | 20.8% |
100万円未満 | 8.0% | 6.1% |
100~200万円未満 | 5.7% | 5.5% |
200~300万円未満 | 4.3% | 3.3% |
300~400万円未満 | 3.6% | 3.2% |
400~500万円未満 | 2.7% | 3.4% |
500~700万円未満 | 6.2% | 5.3% |
700~1000万円未満 | 4.6% | 6.1% |
1000~1500万円未満 | 6.6% | 8.6% |
1500~2000万円未満 | 3.6% | 5.7% |
2000~3000万円未満 | 6.8% | 8.8% |
3000万円以上 | 16.9% | 20.3% |
無回答 | 2.5% | 2.9% |
中央値 | 300万円 | 700万円 |
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降)より筆者作成
60代単身世帯で貯蓄が2000万円以上ある人の割合は、23.7%です。約4人に1人が2000万円以上の貯蓄をしています。一方で、貯蓄が100万円未満の割合も36.5%と高くなっています。このように、人によって貯蓄額に大きな差があることが分かります。
また、2人以上世帯の貯蓄額は単身世帯と比べて全体的に高額で、2000万円以上の貯蓄がある世帯の割合は29.1%となっています。また、中央値も単身世帯は300万円であるのに対して、2人以上世帯は700万円です。
60代の年金受給額
60代の貯蓄額の現状を確認しましたが、貯蓄が少なくても、もらえる年金が多ければ老後も経済的に余裕のある生活が可能です。では、60代はどのくらいの年金を受け取っているのでしょうか。厚生労働省の調査によると、65歳~69歳の人が受給する平均年金額は図表2のとおりです。
図表2
年齢 | 厚生年金受給者の年金受給額(月額) | 国民年金受給額(月額) |
---|---|---|
65歳 | 14万5372円 | 5万8078円 |
66歳 | 14万6610円 | 5万8016円 |
67歳 | 14万4389円 | 5万7810円 |
68歳 | 14万2041円 | 5万7629円 |
69歳 | 14万628円 | 5万7308円 |
会社員や公務員などの厚生年金受給者は、比較的高額な年金をもらえます。生活水準にもよりますが、年金だけでの生活も十分可能でしょう。
一方で、自営業者などは、基本的に国民年金しかもらえません。国民年金の受給額は月5万8000万円ほどで低額です。そのため、自営業者は年金以外に貯蓄や投資などでの老後資金の準備が必要となるでしょう。
繰下げ受給による年金の増額
65歳からもらえる年金受給額が少なく十分な貯蓄もない人は、ぜひ繰下げ受給による年金の増額を検討してみてください。年金は通常65歳から受け取りを開始しますが、繰下げ受給を利用すれば最長で75歳まで受給開始時期を遅らせることができます。
受給開始時期を遅らせるほど、年間にもらえる年金額が増える仕組みです。75歳まで受給開始を遅らせれば、65歳から年金の受給を開始した場合と比べて年間にもらえる年金は84%増えます。
例えば、65歳からもらえる年金が年間100万円の人は、75歳に受給開始を遅らせることで年間184万円の年金を受給可能となります。ぜひ、65歳以降も引き続き長く働くことで当面の生活費を補うなど、受給開始時期を遅らせる方法を検討してみてください。
まとめ
60代で貯蓄が2000万円以上ある人の割合は、単身世帯で23.7%・2人以上世帯で29.1%です。意外と2000万円以上の貯蓄がある世帯が多いことに驚く人もいるかもしれません。
一方で、十分な貯蓄がない人もかなりいます。60代単身世帯で貯蓄が100万円未満の人の割合は36.5%です。貯蓄がない人は老後対策が必要となります。紹介した年金の繰下げ受給など、自分に合った老後対策を始めてみてください。
出典
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降)
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降)
厚生労働省年金局 令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
日本年金機構 年金の繰下げ受給
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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