更新日: 2023.06.16 セカンドライフ

独身子なし、53歳会社員。おひとりさまの「老後の備え」は大体いくら必要?

独身子なし、53歳会社員。おひとりさまの「老後の備え」は大体いくら必要?
老後を自分らしく生きようと計画を立てるのはとても大切なことです。しかし、自分一人の考えだけではイメージが湧きづらく、プランを練るのも大変なのではないでしょうか。
 
そこで、独身で子のいない53歳の会社員であるおひとりさまの方を例に、老後の備えがどれくらい必要になるのか考えてみました。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

独身、子なしのおひとりさまの老後に必要な費用はどれくらい?

今現在、自身の毎月、そして年間の収支について把握できているでしょうか。おひとりさまが老後を考えるにあたっては、まずこれらの把握からスタートしていくことになります。そのうえで、自分の寿命も想定し、必要となる老後の資金を算出するのです。
 
例えば、年間250万円支出する方が、65歳から90歳まで25年間を生きるとすると、老後は6250万円必要になるということになります。
 
参考までに、総務省の家計調査報告によれば、2022年の高齢者無職単身世帯の1ヶ月の支出は、消費支出と非消費支出とを合わせて15万5495円となっているようです。年間に換算すると186万5940円となります。
 
また、厚生労働省の令和3年簡易生命表の概況によれば、平均寿命は男性で81.47歳、女性で87.57歳となっているようです。仮に65歳から85歳まで、年間187万円の支出で生きるとすると、老後に必要な資金は3740万円になります。
 
ここから、独身かつ子なしのおひとりさまは、年金も含めて3800万円くらいの老後資金を用意するのがひとつの目安といえそうです。
 

老後資金の核は年金

受給額が減ることへの不安や、将来の給付は期待できないという声もあがります。とはいえ、「老後の生活」が近くなっている53歳の会社員なら、老後の収入の核は、年金になることが予想されます。
 
老後も生きている間、常に働き続けられるとも限りませんし、再就職などで収入が下がる可能性もあります。一方、年金は生きている間に受け取ることができるため、老後の安定した収入源となります。
 
今現在から推測される、将来受け取る年金額については「ねんきんネット」で確認したり、最寄りの年金事務所に問い合わせたりするなどの方法で知ることができます。そちらを確認して、自分が老後どれくらいの収入を年金から得られるのか確認してください。
 
参考までに、総務省の家計調査報告によると、65歳以上の高齢単身無職世帯における年金など社会保障給付による収入は12万1496円となります。仮に80歳まで生きるとすると、20年間での年金収入はおおよそ2900万円ほどになります。
 

老後の備えとしてどれくらいのお金を用意しておくべきか

最後に、これまで算出した老後の費用の総額から、受け取るであろう年金額を差し引きます。そして、それを補えるだけの金額を老後の備えとして定年までに用意しておくのが理想です。
 
例えば、総務省の家計調査をモデルケースに85歳まで生きると仮定すると、3800万円の老後生活費から2900万円の年金収入を差し引き、900万円程度を用意しておけば、平均的な生活を送ることができる見込みです。
 
収入と支出次第ですが、53歳から65歳まで働き、900万円の老後資金を用意することは不可能ではないでしょう。人によっては退職金で賄える金額でもありますし、独身で子なしであればそれを上回る資産を有していることも珍しくはないはずです。
 
ただし、将来老人ホームに入居したいなどお金を要する希望がある場合はそれらも加味した額の老後資金を用意すべき必要があることにご注意ください。
 

53歳のおひとりさまの会社員なら老後に過敏になる必要はない

現在、独身、子なしで53歳まで会社員を継続されてきた方であれば老後に一般的な生活を送ることは難しくなさそうです。
 
もし、自分は老後の備えとしてどれくらいが必要なのか悩んだときは、現在の生活費や将来のライフプランから老後に必要なお金の額を試算し、年金収入で賄いきれない部分を用意できるようにしてみてください。
 
場合によってはライフプランの変更も必要となるかもしれませんが、今からでも老後にお金の面から向き合い考えていくことで、将来を過剰に心配する必要はないでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況
総務省 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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