「老後に必要なお金」を、月ごとの不足金額から逆算する方法とは?
配信日: 2023.07.19 更新日: 2023.07.24
本記事では、老後に必要なお金について、月単位で不足する金額から、目標金額を逆算する方法を紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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老後にかかるお金はいくら?
総務省が2021年に公表した「家計調査年報(家計収支編)」では、二人以上の世帯のうち、老後生活を迎えた65~69歳の無職世帯では、平均26万1123円かかるとされました。
では、65歳以上の夫婦だけが暮らす世帯や、一人暮らしで老後を迎える世帯では、どれくらいのお金がかかるのでしょうか。
65歳以上の夫婦が生活する場合
65歳以上の夫婦のみが暮らす世帯では、1ヶ月あたりの消費支出は22万4436円です。これに対して、実収入は、平均23万6576円となっており、その差はわずかです。しかし、税金などの非消費支出が3万664円かかるため、実際には、毎月1万8524円の不足が発生しています。
65歳以上の一人暮らしの場合
65歳以上の一人暮らし世帯では、1ヶ月あたり、13万2476円の消費支出がかかるとされています。
対して実収入は、平均13万5345円となっており、3000円ほど、収入が上回ります。一人暮らしの場合、税金などの非消費支出が1万2271円かかるため、実際には、毎月9402円の不足になります。
安心して過ごすために必要な老後資金の逆算方法
1ヶ月あたりに不足する平均金額が分かったところで、実際に、老後必要となる金額を計算してみましょう。
計算方法は、まず、1ヶ月単位の収入から支出を引くことで、月々の収支を洗い出します。その後、退職金などから、人生の最期までに必要な出費を差し引くことで算出します。
1)年金額と1ヶ月あたりの支出を計算
年金額から、食費や家賃・水道光熱費など、1ヶ月にかかる支出を差し引きます。ここには、経年劣化する家具や洋服類の購入費などのイレギュラーな出費も考慮して、3万円ほどの余裕をもって、計算をするとよいでしょう。
それを12ヶ月分として計算して、さらに、老後に過ごす年数を掛けあわせます。
例えば、年金収入の24万円に対して、支出額が30万円、老後年数を30年と仮定すると、(24万円-30万円)×12ヶ月×30年で、2160万円が不足する計算です。
2)年金以外に受け取る現金を算出
退職金や積立型保険の満期保険金など、65歳以降で得られる大きな収入を、一度書き出してみましょう。1)で計算した金額よりも下回る場合は、不足する金額を、早いうちから積み立てておく必要があります。
3)普段の生活以外にかかる大きな出費分は別途用意
老後生活のなかで、自宅のリフォームや葬儀、老人ホームの利用など、大きな出費が発生する場面があります。いざというときに、現金がないという事態を防ぐために、通常の出費とは別に、用意しておくことが大切です。
また、老後も豊かな生活を過ごすために、記念日の旅行費など、余裕をもった金額に設定しておくこともよいでしょう。
老後を見据えた資産形成とは
老後に必要なお金が、ある程度把握できたところで、実際に不足分を賄うためには、どうしたらよいかを考えましょう。ここでは、老後を見据えた資金形成として、日々の貯蓄方法や投資信託について、解説します。
30代・40代からの貯蓄
30代から40代の、収入が安定するころから貯蓄していきましょう。1年で50万円貯めるというと、一見大変そうですが、1ヶ月で4万円ずつ貯められるようにすれば、現実的になります。
手作りのお弁当を作ることで、外食の回数を減らしたり、コーヒーやタバコなどの購入頻度を減らしたりして、1日単位で、細かく見直しをすることが近道になります。
投資信託
より多くの老後資金を確保したいという方には、投資信託という方法があります。投資のプロに資金を預けて、株式や不動産投資などの投資を依頼します。貯蓄とは異なり、運用方法によっては、元本割れのリスクもありますので、運用会社選びは慎重に行いましょう。
複数の保険に加入
老後生活のなかで、万が一のトラブルが生じた際に、保険金が下りると、安心材料になります。
解約返戻金があらかじめ設定された保険を選ぶなど、いざというときに、まとまった現金が得られることが、保険商品の強みです。30代から40代にかけて、資金に余裕がある場合は、複数の保険に加入することを、検討してみてもよいでしょう。
若いうちから老後のお金を算出しておこう
老後に必要なお金は、年金などの定期的な収入から、日々の生活でかかる支出を差し引いた金額です。税金を考慮すると、毎月9000円から1万8000円の不足が発生します。
ゆとりある老後生活を送るためにも、30代・40代のうちから、老後に必要な金額を計算して、早めの資産形成を行いましょう。
出典
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年) Ⅱ 総世帯及び単身世帯の家計収支
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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