60歳で仕事を辞めるのって「危険」ですか? 独身で貯蓄は1800万円です
配信日: 2023.08.16
今回は、老後の暮らしにどのくらいかかるのか、貯蓄が1800万円あれば足りるのか、詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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老後の単身世帯の平均支出額はどのくらい?
まず、老後の単身世帯の平均支出額はどのくらいなのかを見てみましょう。
総務省が令和3年に行った調査によると、65歳以上の単身世帯の月あたりの平均消費支出額は13万2476円、非消費支出額は1万2271円です。合計すると、毎月14万4747円、年間で173万6964円かかっていることが分かります。ただし、この調査では住居費が1万円程度となっているため、賃貸の人はこの額よりも若干多めに見ておいたほうがよいでしょう。
仮に年間の支出額を200万円だとすると、年金を受給できる65歳までにおよそ1000万円必要になることが分かります。貯蓄額が1800万円であれば、年金を受給できる65歳以降の貯蓄額は800万円です。
それでは、65歳以降は貯蓄額800万円でやっていけるのでしょうか。
同調査では、平均収入額は月あたり13万5345円、そのうち年金などの社会保障給付額は12万470円となっています。毎月およそ1万円の赤字となるため、1年で12万円を貯蓄からまかわなければなりません。しかし、年間12万円程度の赤字であれば、800万円の貯蓄でも十分にやっていけるでしょう。
ただし、年金等による収入額が13万円以下の人の場合、800万円の貯蓄では足りなくなる可能性があります。
不安な人は定年後の働き方についても考えておこう!
受け取れる年金額や毎月の支出額にもよりますが、貯蓄が1800万円あれば、60歳で仕事を辞めてしまっても何とかやっていける可能性が高いでしょう。しかし、不安な方は定年後も何らかの形で働き続けるのがおすすめです。
働き方としては2つあり、これまで勤めていた会社に再雇用されるか、まったく別の会社に再就職する方法があります。再雇用されれば安心して働けますが、役職が現役時代よりも下がってしまう、これまで部下だった同僚が上司になるといったデメリットもあります。
再就職するのであれば、シニア世代を対象にした人材センターや人材派遣を活用するとよいでしょう。高齢者に多い仕事としては、タクシーの運転手や警備員、マンションの管理人などがあります。そのほか、定年後のことを考えて何らかの資格を取っておくのもおすすめです。特にパソコンや英語のスキルは持っていると役立つことが多いです。
ただし、年金を受け取りながら働く場合は在職老齢年金制度に注意する必要があります。この制度は、老後の収入額によって老齢厚生年金の受給額が減額、または停止される、というものです。令和5年度の場合、給与と老齢厚生年金の合計額が48万円以下でなければなりません。
貯蓄額が1800万円あれば何とかやっていけるかも?
単身で貯蓄が1800万円あれば、60歳で仕事を辞めてしまっても何とかやっていける可能性が高いでしょう。しかし、年金受給額が少ない人や毎月の支出額が多くなりそうな人は、60歳以降も何らかの形で働き続けるのがおすすめです。
定年後の働き方としては、再雇用と再就職があります。どちらもメリットとデメリットがあるので、自分に合った方を選びましょう。
出典
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)家計の概要 総世帯及び単身世帯の家計収支
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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