更新日: 2023.10.03 その他老後
親が「年金が少ないからリバースモーゲージを利用したい」と言っています。注意点はありますか?
本記事では、リバースモーゲージを利用する際の注意点を解説します。リスクや利用条件を知って、リバースモーゲージを利用するかどうかの参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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リバースモーゲージとは
リバースモーゲージは、自宅を担保に融資を受けられる仕組みで、生存中は利息のみを支払い、契約者が亡くなった後に担保となっている自宅を借入先に提供します。生きている間は、担保にしている自宅に住み続けられるため、家を失いたくないと考えている人にはメリットがあるでしょう。
また、利用できる年齢も「60歳以上」「70歳以上」と設定されているケースが多く、高齢者向けの貸付制度といえます。
リバースモーゲージのリスクや注意点
リバースモーゲージは、老後資金の借り入れをしながらも自宅に住み続けられたり、借入人が亡くなっても配偶者の住まいが保証されたりといったメリットがあります。
しかし、リバースモーゲージの利用にはリスクや注意すべき点があります。メリットに目を奪われて利用してしまうと、後で「こんなはずではなかった」と後悔するかもしれません。リスクや注意点を知り、納得してからリバースモーゲージを利用するとよいでしょう。
長生きリスク
リバースモーゲージには長生きリスクがあります。長生きすることで融資限度額に達してしまい、融資を受けられなくなる可能性があるからです。例えば、以下の条件でリバースモーゲージを利用するケースを想定して、計算します。
●1000万円の評価額の物件で6割を借り入れする(600万円)
●利息の返済は複利で増えていく
●借り入れの金利は固定で年3%
上記の条件の場合、600万円を借り入れた際の1年の利息は18万円、5年で96万円、10年で206万円となります。そして借入期間18年で元本と利息の合計が1021万円となり、自宅の評価額を超えて借り入れできなくなるでしょう。
長生きすることで融資を受けられなくなる可能性を考えたうえで、借り入れしなくてはなりません。
金利変動・評価額下落のリスク
融資を受けている最中に金利が上昇してしまったり家の評価額が下落したりすると、融資が減るまたは止まることもあるでしょう。売却額が借入金を下回った場合、相続人が足りない分を返済するなどの負担を強いられるリスクが懸念されます。
物件や同居人の制限がある
リバースモーゲージは家を担保に入れられますが、マンションは対象外の金融機関もあります。そのほか、自宅に一人暮らしか、配偶者と二人暮らしでなくてはならないといった制限があります。マンション暮らしをしている、もしくは親や子どもと同居している場合はリバースモーゲージを利用できません。
不動産担保型生活資金やリースバックも選択肢に入れる
リバースモーゲージ以外にも、老後資金を得る方法はあります。1つめは「不動産担保型生活資金」です。不動産担保型生活資金は、低所得の高齢者が対象の福祉サービスです。配偶者だけでなく親・義理の親との同居も許可されています。また、貸付限度額を過ぎても自宅に住み続けられる点がメリットです。
2つめは「リースバック」です。リースバックは自宅を売却して代金を受け取りつつ、リース料を支払って自宅に住み続ける制度です。マンションでも可としている事業者も多く、利用しやすいでしょう。
リバースモーゲージのほかに、このような2点も選択肢に加えることで、より自分に合った制度で老後資金を得られるでしょう。
リバースモーゲージを利用する際はリスクを確認しよう
リバースモーゲージは、老後資金を得ながら自宅に住み続けられる制度ではあるものの、リスクやデメリットがあります。利用する前にリスクや利用条件を把握しておくことが大切です。
リバースモーゲージの制度が合わないと感じたら、不動産担保型生活資金やリースバックも選択肢に入れましょう。老後資金を得る際は、さまざまなサービスから自分に合う制度を見つけて、利用してください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー