更新日: 2023.10.06 介護

両親の介護に備えて貯金をしようと思うのですが、金額のイメージが湧きません。自宅介護と老人ホームの必要経費を教えてください!

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

両親の介護に備えて貯金をしようと思うのですが、金額のイメージが湧きません。自宅介護と老人ホームの必要経費を教えてください!
両親が高齢になってくると、将来的に介護が必要になった場合のことを想像するときもあるのではないでしょうか。ただ、そのときに備えて貯金したくても、具体的な金額がイメージできなければ目標を設定することもできません。そこで、本記事では、自宅介護と老人ホームを利用する場合、それぞれのおおよその必要経費を解説します。
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自宅介護でも要介護度によって費用が高くなる

生命保険文化センターが2021年に行った「生命保険に関する全国実態調査」によると、自宅介護の平均費用は1ヶ月当たり4万8000円でした。「自宅で介護するのであれば、費用はほとんどかからないはず」と思われがちですが、実際には決して安い金額とはいえないことがわかります。
 
・介護費用は要介護度によって異なる
同調査結果を参考にすると、要介護度が高いほど介護費用も高くなる傾向があります。要支援度1の場合で1ヶ月当たり4万1000円であるのに対し、要介護度5になると1ヶ月当たり10万6000円の費用が必要です。要支援度2の場合でも、1ヶ月当たり7万2000円がかかっており、要支援度1と比較すると約3万円も高くかかっています。
 

自宅介護と老人ホームに必要な費用とは

自宅介護する場合と老人ホームに入居する場合、それぞれの平均費用を算出しました。自宅介護の費用は2017年に家計経済研究所が発表した「在宅介護のお金と負担」、老人ホームの費用は老人ホーム検索サイト「みんなの介護」を参考にしています。
 
・自宅介護の1ヶ月当たりの平均額は約5万円
自宅介護で必要な主なものはデイケアサービスやホームヘルパーなどにかかる介護サービス費用、おむつなどの費用が挙げられます。さらに、初期費用では、必要に応じて介護ベッドや車いす、自宅のリフォームといった費用が必要です。
 
仮に要介護度が3だった場合を想定して1ヶ月当たりにかかる費用の内訳を見てみましょう。
 
介護サービスの平均費用が1万6000円、おむつ代など介護用品の平均費用が約1万2000円、医療費の平均費用が6000円、税金・社会保険の平均費用が1万円、そのほかの費用が4000円ほどです。1ヶ月当たりで合計4万8000円がかかっています。
 
・老人ホームの1ヶ月当たりの平均費用
老人ホームでかかる費用は大きく分けて入居一時金、月額利用料の2つです。入居一時金には、一定期間分の月額利用料をまとめて前払いする目的もあります。入居一時金の費用は老人ホームによって異なり、安ければ数十万円、高ければ数千万円になります。
 
入居一時金がかからないところもありますが、そういった場合は月額利用料がその分高くなるのが一般的です。入居一時金が不要の老人ホームは全体の3割程度といわれています。老人ホームは有料老人ホーム、特別養護老人ホーム(原則、要介護度3以上)があります。
 
有料老人ホームは介護付き型、住宅型、健康型の3種類です。入居一時金はそれぞれで異なりますが、平均で94万7000円となっています。平均月額料金は、1ヶ月当たり約20~25万円です。特別養護老人ホームは有料老人ホームより月額料金が安く、入居一時金は不要、1ヶ月当たりの平均費用は約7~15万円です。
 

年間介護費用にプラスαで貯金しておくのが無難

介護の1ヶ月当たりの費用を見ると、自宅介護が約5万円+食費、有料老人ホームが約20~25万円(月額利用料)、特別養護老人ホームが約7~15万円です。自宅介護と特別養護老人ホーム(要介護度3以上)の介護費用は同程度であると考えられます。
 
ただ、将来的に親がどのような生活を望むのかはわからないため、余裕ができるように介護が必要な期間、有料老人ホームで暮らせるほどの貯金をしておくのもひとつの方法です。
 

出典

生命保険文化センター 介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?
家計経済研究所 在宅介護にかかる費用
家計経済研究所 介護サービス以外の支出
みんなの介護 【一覧表でわかる】老人ホームの費用相場(種類別・都道府県別)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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