更新日: 2023.11.24 定年・退職
公務員の定年も65歳に!?定年延長で「収入」に変化は起こるのか?
本記事では、公務員の定年について、および収入に関する変化について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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公務員の定年が65歳に引き上げ
国家公務員における令和4年度までの定年は原則60〜65歳でした。
しかし令和5年4月1日から、表1のように段階的に国家公務員および地方公務員の定年が65歳に引き上げられます。
表1
現行 | 令和5年度~6年度 | 令和7年度~8年度 | 令和9年度~10年度 | 令和11年度~12年度 | 令和13年度~【完成形】 | |
---|---|---|---|---|---|---|
定年 | 60歳 | 61歳 | 62歳 | 63歳 | 64歳 | 65歳 |
※内閣人事局 国家公務員法等の一部を改正する法律案の概要を基に筆者作成
なお、責任の大きい特殊性と欠員補充の困難性のある医師については、66歳から70歳の間で人事院規則により定年を定めるとしています。
60歳に達した公務員の給与はどうなる?
人事院の資料によると、60歳に達した国家・地方公務員の俸給月額は原則として60歳前の7割水準に引き下げるとのことです。つまり、60歳に達した公務員の給与は、俸給月額が約30%減給されることになります。
仮に60歳までの俸給月額が40万円であった場合は、60歳以降の俸給月額は約28万円になる計算です。
また定年延長にともない、地域手当、期末・勤勉手当等も7割水準に引き下げられます。ただし、住宅手当や扶養手当、通勤手当などは現在と同額支給される見込みです。
役職定年制が導入される可能性がある
公務員の定年が65歳になったことで、役職定年制も導入を検討するよう求める声が挙がっています。
役職定年制とは、管理監督職についている公務員が60歳になった場合に、管理監督職以外に降任する、または転任する必要があると定めたものです。公務員の定年が引き上げられたことで、若年・中堅層職員の昇格ペースが遅くなることを防ぎ、組織活力を維持するために提案された制度です。
ただし、降任や転任によって公務の運営に支障をきたすと予想される場合は、60歳を過ぎても引き続き管理監督職にとどまることが可能であるとしています。
定年延長により新しい制度が導入される可能性あり
令和5年4月1日から段階的に国家・地方公務員の定年が65歳に引き上げられることになりました。それにともない、一部を除く国家・地方公務員の給与月額はこれまでより30%減少されます。今後公表される資料から、公務員の収入がどのように変化していくのか分かるようになるでしょう。
出典・参考
厚生労働省 高年齢者雇用安定法改正の概要 ~70歳までの就業機会の確保のために事業主が講ずべき措置(努力義務)等について~
人事院
現行の定年制度 第1章 定年後を考える 1.定年がもたらすもの
定年を段階的に65歳に引き上げるための国家公務員法等の改正についての意見の申出 第2 定年の引上げに関する具体的措置 2.役職定年制の導入(5ページ)
人事院給与局 内閣官房内閣人事局 国家公務員の60歳以降の働き方について(概要) 60歳に達した 職員の給与(4ページ)
内閣人事局 国家公務員法等の一部を改正する法律案の概要(令和3年通常国会)
総務省 令和4年地方公務員給与実態調査結果等の概要
総務省 地方公務員法の一部を改正する法律について
総務省 地方公務員法の一部を改正する法律案の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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