更新日: 2024.01.18 定年・退職

「貯金ゼロ」ですが、退職金や年金を受け取り定年後も働けば問題ないですか?

「貯金ゼロ」ですが、退職金や年金を受け取り定年後も働けば問題ないですか?
定年が近いにもかかわらず、貯蓄額が少ない、または貯金がまったくない場合は、定年後も働くことを選択する方もいらっしゃるでしょう。
 
本記事では、60・70代の貯蓄がない人の割合とその平均貯蓄額、65歳以上の世帯の平均支出額について紹介して、貯蓄がない人でも働き続ければ生活できるのかを解説します。
 
貯蓄が少なくて、定年後の生活に不安を抱えていらっしゃる方は、ぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

60代と70代の金融資産非保有者の割合は?

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」によると、金融資産非保有社の割合および平均貯蓄額は、表1の通りです。
 
表1

世帯主の年齢別 金融資産非保有の人の割合 平均貯蓄額
60代 20.8% 1819万円
70代 18.7% 1905万円

※金融広報中央委員会「令和4年家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」より筆者作成
 
表1より、60代および70代において、それぞれ平均貯蓄額は2000万円近いにもかかわらず、金融資産非保有つまりは貯蓄がないと回答した方が、2割近くいることが分かりました。
 

【PR】日本財託グループセミナー

【PR】日本財託セミナー

65〜100歳までの平均支出額は?

総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の1ヶ月あたりの平均支出は表2の通りです。
 
表2

項目 1世帯の1ヶ月あたりの支出
食費 6万7776円
住居費 1万5578円
水道光熱費 2万2611円
家具・家事用品費 1万371円
被服・履物費 5003円
保険医療費 1万5681円
交通・通信費 2万8878円
教養娯楽費 2万1365円
その他の消費支出 4万9430円
非消費支出 3万1812円
(支出の合計) 26万8505円

※総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)」を基に筆者作成
 
また同調査によれば、年金を含めた平均実収入は24万6237円ですので、表2の支出の合計26万8505円から引くと毎月2万2268円不足することになります。
 
1年間に換算すると26万7216円、10年間だと267万2160円、そして定年を迎えた65歳から100歳まで生きたとして、35年間だと935万2560円不足することになります。
 

貯蓄ゼロでも退職金・年金を受け取り定年後も働けば生活できる?

前述した通り、年金を毎月受け取ったとしても、65歳から100歳までに935万2560円が不足します。また通常ならば、これらを退職金と貯金でまかなうことになります。
 
しかし貯金がない場合は、退職金と定年後に働いて得た収入で、生活資金を確保する必要があるでしょう。退職金が十分にあれば、定年後も働き続けることで、ある程度の生活はできます。
 
しかし今後、体力的に働くことができなくなったり、けがや病気になったりした場合に備えて、資金は余分に準備しておいたほうが安心です。
 

貯蓄がない人はまず家計の収支を確認して、貯金ができる体制を整えよう

定年時に貯金がまったくない状態でも、退職金がある程度あれば、定年後も働くことで、ある程度の生活は可能です。
 
しかし、体力的に働くことができなくなることや、けがや病気などの備えのために、貯金をして余裕を持っていたほうが安心でしょう。定年が近くなり、貯金がまったくない状態の場合は、まず家計の収支を確認して、貯金ができる環境を作りましょう。
 

出典

金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)表番号4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)

総務省統計局 家計調査報告(家計収支編) 2022年(令和4年)平均結果の概要
図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2022年-(18ページ)
表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2022年-(19ページ)

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集