更新日: 2024.01.22 定年・退職

うちの会社は退職金制度がありません。「退職金なしにもメリットがある」と言われましたが、本当ですか?

うちの会社は退職金制度がありません。「退職金なしにもメリットがある」と言われましたが、本当ですか?
退職金制度は、法律などで義務付けられているものではないため、この制度の有無は会社ごとに異なります。勤める会社に退職金制度がない場合、「損をしているのではないか」と考える人もいるのではないでしょうか。一方で、しばしば「退職金なしにもメリットがある」といわれることもあります。
 
今回は、退職金を受け取れないことがなぜメリットとなるのかについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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退職金制度のない会社の割合

まずは、退職金制度のない会社の割合を見てみます。厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」の結果によると、退職金制度のない会社の割合は24.8%でした。1000人以上の従業員を抱える会社では8.8%でしたが、30〜99人の会社では29.5%と、規模が小さくなるにつれて退職金制度のない会社の割合が増える結果となっています。
 
少数派ではあるものの、全体で見れば4分の1ほどの会社は退職金制度がないといえるでしょう。
 

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退職金なしにもメリットはある?

退職金制度がなければ、会社を辞める際に退職金と称したお金は受け取れません。この点のみを見れば、会社員にとっては損しかないように思えるでしょう。しかし、退職金がないことがメリットとなりえる点はいくつか考えられます。ここでは、主なメリットを3つ紹介します。
 

・給与水準が上がる可能性がある

退職金制度のある会社は、従業員が退職するときに備えて退職金用のお金を準備しておかなければいけません。退職金制度のない会社は、本来その準備に充てるお金を毎月の給与やボーナスに分配可能です。
 
つまり、同じ業務内容や労働時間に対し、退職金がないほうが毎月の給与水準が上がる可能性が高いといえます。老後に受け取るお金が増えるよりも、若いときに受け取れるお金が多いほうがよい人にとっては大きなメリットでしょう。
 

・退職金に期待しない資産形成ができる

退職金制度があったとしても、期待していた額が必ず支給されるとは限りません。また、途中で制度が撤廃される可能性もあります。退職金に期待し老後の生活設計を考えていた人にとって、期待に届かない金額であったり、結局受け取れなかったりすれば人生計画が破たんする恐れすらあるでしょう。
 
最初から退職金制度がなければ、それに期待しない資産形成と老後の生活設計が可能となるため、堅実な預貯金や運用が期待できます。
 

・納税や手続きをする必要がない

退職金を受け取ると、その金額に応じて所得税を支払わなければいけません。また、金額によっては確定申告も必要となります。一時的な手間を省ける程度ではありますが、退職金がなければ、そうしたわずらわしい手続きなどは不要です。
 

老後資金は早めに蓄えておこう

退職金制度のない会社に勤めている場合は、早めに老後を見据えた資産管理をしておかなければいけません。節約を心がけ、預貯金額を確実に増やしていき、投資による資産運用も取り入れながら老後に備えておきましょう。お金に対する危機管理能力が養われやすい点も、退職金制度のない会社に勤めているメリットといえます。
 

退職金制度のない会社に勤めているメリットを生かそう

日本では、25%ほどの会社が退職金制度を取り入れていません。そのような会社に勤めていると損をしているように感じがちですが、退職金分が毎月の給与やボーナスへと分配され、給与水準が上がる可能性があります。
 
また、退職金をあてにしすぎた資産形成なども避けられるため、若いうちからお金の管理力を身につけることが期待できる点もメリットです。退職金制度がないことを嘆くよりも、それによるメリットを生かしたほうが有意義でしょう。
 

出典

厚生労働省 令和5年就労条件総合調査 結果の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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