更新日: 2024.01.26 セカンドライフ

平均年収でも「老後貧乏」の可能性!? 年収374万円で将来受け取れる年金はいくら?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

平均年収でも「老後貧乏」の可能性!? 年収374万円で将来受け取れる年金はいくら?
老後に受け取れる年金には、国民年金を納めていれば受け取れる老齢基礎年金と、会社に勤務して厚生年金を納めることで受け取れる老齢厚生年金があります。
 
厚生年金は、収入によって金額が変動することが特徴です。今回は、日本の平均年収を得ていた場合に受け取れる年金の金額や、老後の生活でいくら足りないのかなどについて解説します。
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日本の平均年収は?

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」によると、令和4年時点での日本の平均月収は、31万1800円でした。年収に換算すると、374万1600円です。
 
また男女別に見た場合に、男性の平均月収は34万2000円で、年収では410万4000円、女性の平均月収は25万8900円で、年収では310万6800円でした。
 

平均年収だと年金はいくら受け取れる?

年金の金額を計算するにあたって、条件は以下とします。


・老齢基礎年金額については、令和4年時点での年金額を参考にする
・単身世帯
・国民年金は20~60歳まで欠かさず納めている
・厚生年金の加入期間は20~65歳になるまでの45年間
・収入は、男女合わせた平均年収である374万1600円、月収31万1800円
・平成15年4月よりあとに年金へ加入
・厚生年金は、報酬比例部分以外の加算がないものとする

令和4年時の老齢基礎年金は、国民年金を欠かさず納めていれば、月に6万4816円、年に77万7792円が受け取れる金額です。
 
受け取れる老齢厚生年金は、年収を基に決められる標準報酬額を用いて計算されます。日本年金機構が公開している令和4年時点の保険料表によると、月収31万1800円の標準報酬額は32万円です。
 
今回の条件から、年金の額となる報酬比例部分を求めると、老齢厚生年金の額が求められます。報酬比例部分は「平均標準報酬額×0.005481×加入期間の合計月数」ですので、年収374万1600円の場合の老齢厚生年金額は94万7117円、老齢基礎年金と合計すると年間172万4909円、月額14万3742円です。
 

65歳以降で必要なお金

総務省の令和4年の「家計調査報告」によると、令和4年の65歳以上で単身無職世帯に必要な支出は、平均月額15万5495円でした。
 
年収374万1600円で受け取れる令和4年の年金額が月額14万3742円ですので、月に1万1753円足りない計算になります。年間では、不足金額は14万1036円です。足りない分は、貯金から補うことになります。
 
また、足りない分を補えるだけの貯金があったとしても、急な病気やけがで多額の出費が必要となる可能性もあるため、働いている早いうちから貯金を始めておくことをおすすめします。
 

早いうちから貯金をしておくことが大切

平均年収で受け取れる年金だけでは、老後の生活を豊かにするうえでも、資金不足になる可能性があります。なるべく早くから貯金を始めておくと、老後の備えをしつつ、趣味のための費用なども捻出しやすくなります。
 
緊急時にも備えつつ、なるべく安定した老後を過ごしたい場合は、早い段階から貯金を始めておきましょう。
 

出典

厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査の概況 結果の概要 第1表 性別賃金、対前年増減率及び男女間賃金格差、対前年差の推移 ( 6ページ)
日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和4年度版)
日本年金機構 は行 報酬比例部分
総務省 家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要 Ⅱ 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図2 65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2022年-(18ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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