更新日: 2024.04.05 定年・退職
「定年退職したら少しのんびりしたい」と夫。そんなペースで再就職なんてできるのでしょうか?
ただ、家族にとっては再就職に不安を感じることも理解できます。そこで本記事では、定年退職後の再就職事情や定年後の過ごし方について解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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定年退職後の就業率は伸びつつある
内閣府が公開している「令和5年版高齢社会白書(全体版)」の就業・所得の項目を見ると、令和4年(2022年)における60〜64歳の就業率は73%、65〜69歳の就業率は50.8%です。
2012年の就業率は60〜64歳が57.7%で、65〜69歳は37.1%ですから、定年退職後の就業率は伸びていることが分かります。労働力人口の割合も、65歳以上は13.4%となっており、10年前の9.3%と比べて増えています。
では、雇用形態はどのようになっているのでしょうか。内閣府の「令和5年版高齢社会白書(全体版)」によると、60歳以降は非正規雇用が多いのが特徴です。
男性の非正規雇用者は、55~59歳だと11%にとどまっていますが、60~64歳は45.3%、65~69歳は67.3%と大きく上昇します。非正規雇用の割合が多い理由を裏付けるデータは、次で紹介していきます。
60代が希望する働き方とは?
公益財団法人産業雇用安定センターは「シニア層の就業ニーズに関するアンケート調査」(調査時期:2023年11月、調査対象:現在求職活動中の60代の男女1000人)を行いました。
希望する労働日数についての調査では、男性の60〜64歳でもっとも多かったのは週5日で45.3%ですが、65〜69歳になると2〜3日がもっとも多く、全体の37.3%を占めています。次に多いのは週4日で、31.0%です。
職探しで重視するものでは、60〜64歳の男性は「仕事内容や職場の働きやすさ」がもっとも多く、38.7%となっています。65〜69歳でもっとも多いのは「就労日数・就労時間」です。
「これまでの職業経験・知識を活かせる」も多数派ではありますが、無理をしない働き方を重視する人が多いことがうかがえます。
体を休めてリフレッシュすることも大切
組織で働いていると、思うように長期休暇を取れないこともあります。日々忙しく業務をこなしてきた人にとって、定年退職後は自分の趣味や旅行にあてるよい機会です。転職活動も大切ですが、すぐ活動を始めればよい職場が見つかるとはかぎりません。
それより、体と心をゆっくり休めてリフレッシュしておくことも大切です。定年退職金は金額も大きなものになりますから、旅行などに多少使うのも悪くはないでしょう。
これまで、家族との時間を十分取れなかった人なら、家族と余暇を楽しんでおくのもよい選択です。また、時間にとらわれない生活をすることで、新たな気づきや自己分析にもつながります。
定年退職後は少し余裕を持った働き方を
定年後の再就職は、非正規雇用の割合が高く「無理のない働き方」を求める人が多いといえます。退職後、すぐに転職活動を始めたところで、自分の希望に合った仕事が見つかるとはかぎりません。
それより、これまで実現が難しかったことに時間を割き、少しのんびりしておくのもいいでしょう。自己分析やリフレッシュにあてる時間を持つのも大切なことです。
出典
内閣府 令和5年版高齢社会白書(全体版)1就業・所得
公益財団法人産業雇用安定センター 60代シニア層の就業ニーズに関するアンケート調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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