老後の資金が心配なので定年後も「1日8時間は働きたい!」フルタイムで働きたいと考えている人の割合はどれくらい?
配信日: 2024.04.09
今回は、定年後どのような働き方をしたいのか、公益財団法人産業雇用安定センターが現在求職活動中の60代男女に行った「60代シニア層の就業ニーズに関するアンケート調査」を基に考えてみます。
定年後の働き方に不安のある方は、参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
定年後もフルタイムで働きたいと考えている人の割合
フルタイムとは、それぞれの企業が定める正社員の労働時間(一般的には、1日8時間・週5日)と同じように働くことをいいます。パートのように非正規雇用でも、正社員と同じ労働時間であれば、フルタイム勤務といえます。
1日8時間働きたいと考えている人の割合
公益財団法人産業雇用安定センターが現在求職活動中の60代男女に行った「60代シニア層の就業ニーズに関するアンケート調査」によると、1日に何時間働きたいかという質問の結果が表1のように出ています。
表1
6~8時間程度 | 4~5時間程度 | 2~3時間程度 | 1時間程度 | その他 | |
---|---|---|---|---|---|
全体 | 48.2% | 44.4% | 7.0% | 0.1% | 0.3% |
男性60~64歳 | 70.0% | 26.7% | 2.3% | 0.3% | 0.7% |
女性60~64歳 | 36.0% | 55.0% | 8.5% | 0% | 0.5% |
男性65~69歳 | 47.0% | 48.0% | 5.0% | 0% | 0% |
女性65~69歳 | 29.5% | 55.0% | 15.5% | 0% | 0% |
公益財団法人産業雇用安定センター「60代シニア層の就業ニーズに関するアンケート調査」を基に筆者作成
全体的に短時間よりも、長時間働くことを希望している割合が高く、特に男性60~64歳では、7割の方がフルタイム労働時間に近い1日6~8時間を希望しています。
週に5日働きたいと考えている人の割合
「60代シニア層の就業ニーズに関するアンケート調査」では、週に何日働きたいかという問いに関する回答結果も出ています。
表2
週6日 | 週5日 | 週4日 | 週2~3日 | 週1日 | その他 | |
---|---|---|---|---|---|---|
全体 | 2.4% | 29.4% | 28.7% | 37.8% | 1.6% | 0.1% |
男性60~64歳 | 3.3% | 45.3% | 28.0% | 21.7% | 1.8% | 0.3% |
女性60~64歳 | 2.0% | 23.5% | 33.5% | 39.0% | 2.0% | 0% |
男性65~69歳 | 2.0% | 28.3% | 31.0% | 37.3% | 1.3% | 0% |
女性65~69歳 | 2.0% | 13.0% | 21.5% | 61.5% | 2.0% | 0% |
公益財団法人産業雇用安定センター「60代シニア層の就業ニーズに関するアンケート調査」を基に筆者作成
男性60~64歳の方は、フルタイムの勤務日数と同等の週5日を希望する方がもっとも多くなっています。一方で、女性は週2~3日を希望する割合が多く、とくに65歳~69歳では6割以上に上ります。
シニア世代が仕事探しで重視するもの
多くの方が定年後も働きたいと考える理由も「60代シニア層の就業ニーズに関するアンケート調査」の「仕事探しで重視するもの」から知ることができます。
表3
これまでの職業経験・知識を活かせる | 仕事内容や職場の働きやすさ | 給料 | 就労日数・就業時間 | 体力・体調に合っている | 就業場所・通勤時間 | 地域貢献・社会貢献 | その他 | 重視するものはない | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
全体 | 32.5% | 40.1% | 25.1% | 33.7% | 22.7% | 34.9% | 2.3% | 0.6% | 0.9% |
男性 60~64歳 |
38.0% | 38.7% | 36.3% | 24.3% | 19.3% | 29.3% | 3.0% | 1.0% | 2.0% |
女性 60~64歳 |
24.5% | 45.5% | 24.0% | 36.0% | 21.5% | 42.0% | 1.0% | 1.0% | - |
男性 65~69歳 |
37.0% | 34.7% | 20.0% | 38.0% | 23.7% | 34.0% | 2.7% | - | 0.3% |
女性 65~69歳 |
25.5% | 45.0% | 17.0% | 39.0% | 27.5% | 37.5% | 2.0% | 0.5% | 1.0% |
※公益財団法人産業雇用安定センター「60代シニア層の就業ニーズに関するアンケート調査」を基に筆者作成
表3から、定年後に重視するのは仕事内容や職場の働きやすさであり、さらに年を重ねることで体力や通勤時間など、肉体的に楽な仕事を選ぶ傾向があることが分かります。
とはいえ給料面を求める方も決して低い割合ではなく、職場環境を重視しつつも、金銭的な部分も気になっていることが見てとれます。
定年後は体力と年金受給開始時期を考慮して働こう!
男性60歳~64歳の中では、定年後もフルタイムで働きたいと考えている人は、求職活動を行っている方全体の半数近くになりました。しかし、年を重ねることで、体力面で負担の少ない仕事を求める傾向もあります。
定年後に働く場合は、自分自身の健康面や金銭面を考慮しつつ労働時間を決めましょう。
出典
公益財団法人産業雇用安定センター「60代シニア層の就業ニーズに関するアンケート調査」結果概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー