更新日: 2024.07.16 定年・退職
現在の職場から定年後の再雇用を打診されています。慣れた環境で続けるのは魅力的ですが、「再就職」のほうが条件はよくなったりするのでしょうか?
では、再雇用と再就職について、どのように捉えると良いのでしょうか? また、再就職のほうが条件は良くなるのかを考えてみましょう。
執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト
金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。
再雇用のメリットとデメリットを知っておこう
再雇用とは、定年退職後も従業員の希望に応じて雇用の延長をすることをいいます。なお、再雇用には、一度退職してから後に、再度雇用してもらう「再雇用制度」と本来の定年退職のタイミングでは退職せずに、そのまま働き続ける「勤務延長制度」があります。
では、再雇用をした場合には、どのようなメリット・デメリットがあるのかを考えてみましょう。
●慣れ親しんだ職場で働ける
●新たに人間関係を構築しなくても良い
●ライフスタイルをあまり変えずにすむ
など
●収入が減ってしまう可能性がある
●仕事の内容が変わってしまうことがある
●かつての部下が上司になった場合、上手に対応できないケースがある
など
収入が減る可能性は大きくなりますが、さらに大きなデメリットとなり得るのが、人間関係です。かつての部下が上司になってしまう可能性もあります。特に現役世代のとき、必要以上に部下に厳しく接していたような場合で、わだかまりがあるような状態では、会社での活動がうまく回らないことが考えられます。
再就職のメリット・デメリットを知っておこう
再就職とは、新たに就職先を見つけることをいいます。探し方はいろいろありますが、ハローワークで求人を探す、求人サイトを利用して就職先を見つける、知人等からの紹介があります。
では、再就職をする場合には、どのようなメリット・デメリットがあるのかを考えてみましょう。
●自分のやりたかった仕事ができる可能性がある
●心機一転、新たな気持ちで働くことができる
●再雇用よりも長く働ける可能性がある
など
●一から仕事を探さなければならない
●新たに人間関係を構築しなければならない
●未経験の業務に就くときには、一から仕事を覚える必要がある
など
再就職は大変ではありますが、今までやってみたかった仕事にチャレンジできる可能性もあるため、やりがいを感じられることもあるでしょう。とはいえ、一から仕事を探さなければならない、新たな仕事を覚えなければならない、人間関係を構築していかなければならないなど、肉体的にも精神的にもハードになってしまう可能性は、否めません。
自分の希望を洗い出し、再雇用か再就職かを決めていく
再雇用にも再就職にもメリット・デメリットはあります。そこで大切になってくるのが、どのようなセカンドライフ、会社員生活を送りたいのか? ということです。
具体的には、収入はいくら欲しいのか、勤務時間や通勤時間、福利厚生、働く業種や内容等をリストアップし、自分の希望する仕事はどのようなもので、どのようなことに優先順位をつけて生活していきたいのかを決めていくことが大切です。
その他、再就職という形ではなく、今までの経験を生かして独立開業という方法も考えられます。
独立開業をする場合は、士業等で資格を生かす、飲食店等の各種店舗の経営をする、各種コンサルタント等に従事するなどが考えられます。もし、やってみたい仕事があるなら、セカンドライフを機にチャレンジしても良いでしょう。
再雇用、再就職するにしても、生活の優先順位や希望条件によって、どちらが魅了的に映るのかは変わってきます。まわりの意見に振り回されずに、自分がどうしたいのかを考えて、働き方を選ぶようにしてください。
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト