更新日: 2024.08.23 セカンドライフ

子どもが家を出たので家計に余裕が出てきた「50代夫婦」です。このまま支出が減って「生活が楽になる」と信じていいでしょうか?

子どもが家を出たので家計に余裕が出てきた「50代夫婦」です。このまま支出が減って「生活が楽になる」と信じていいでしょうか?
50代もある程度過ぎると子どもが自立し、教育費の支払いがなくなることで生活に余裕ができるケースもあります。年を取るにつれ出費は減少すると考える方もいますが、項目によっては逆に出費が増えるケースもあるでしょう。
 
特に、高齢になるにつれ健康リスクへの対策は必要です。今回は、50代から60代にかけての支出割合の変化や、健康リスクなどについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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50代から60代で出費の内訳はどう変わる?

総務省統計局「家計調査 家計収支編(2023年)」によると、2人以上の世帯で50~54歳の平均消費支出は月35万8142円、55~59歳の平均消費支出は月33万7276円でした。一方、60~64歳の平均消費支出は月31万1453円、65~69歳の平均消費支出は月30万1705円です。
 
年代が上がるにつれ、平均支出額は徐々に減っていることが分かります。さらに、50代と60代では、支出に対する各費用の割合も異なる点が特徴です。同調査を基に、主な項目別の月平均支出額を表1にまとめました。
 
表1

項目 50~54歳 55~59歳 60~64歳 65~69歳
食料 8万8699円 8万5738円 8万4716円 8万5902円
住居 1万8745円 1万8534円 2万2961円 1万5958円
光熱・水道 2万4906円 2万4981円 2万4679円 2万5784円
家具・家事用品 1万4285円 1万2556円 1万2535円 1万3122円
被服及び履物 1万2967円 1万1862円 9352円 7889円
保健医療 1万3514円 1万3946円 1万5720円 1万8791円
交通・通信 5万2981円 5万6265円 4万9541円 4万6725円
教育 3万4017円 1万6418円 4484円 705円
教養娯楽 3万2864円 3万2007円 2万8159円 2万9903円
その他の消費支出 6万5165円 6万4967円 5万9306円 5万6926円

出典:総務省統計局「家計調査 家計収支編(2023年)」を基に筆者作成
 
比較してみると、教育費は50代前半から徐々に減少していき、60代後半には平均で月705円とほとんどかかっていないことが分かります。子どもが独り立ちをし、教育費が不要になった60代の方が多いといえるでしょう。多くの項目でも、年齢が上がるにつれて減少傾向にあります。
 
一方、保健医療費は年齢が上がるにつれて平均費用も上昇している結果です。全項目のなかで唯一年齢と共に上昇を続けています。つまり、教育費用がかからなくなっても、保健医療サービスの利用回数が増加するなどで保健医療費が高くなりやすいといえるでしょう。
 

老後は健康リスクにも配慮する必要がある

高齢になると、さまざまな健康リスクに気を付ける必要があります。高齢になるほど病気が原因で亡くなるケースも増えるためです。
 
厚生労働省の「令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、年齢別の亡くなった要因の順位として、40代から1位が悪性新生物〈腫瘍〉(がん)に、50代前半には2位に心疾患が入り、50代後半以降は3位に脳血管疾患が挙げられています。年齢が上がるにつれ、病気で亡くなるケースが増えていく結果です。
 
特に、50代後半から80代前半の亡くなった要因はすべて1位悪性新生物〈腫瘍〉(がん)、2位心疾患、3位脳血管疾患となっています。調査結果からも分かるように、高齢になるとこうした大病で多額の出費が発生するケースも少なくありません。健康リスクを考慮して、万が一に備えた貯金や保険加入といった対策も必要でしょう。
 

教育費は減少するが保健医療費は増加する可能性がある

50代になり60代が近づくと、家庭内の出費で教育費が占める割合は減少していきます。全体の出費も減少傾向にはなりますが、保健医療費は上昇傾向にあるため、万が一の健康リスクに備えた貯金は必要です。
 
特に、50代後半を過ぎるとがんや心疾患にかかりやすくなる可能性があるので、入院費や治療費を想定した保険に加入しておいたり貯金をしたりしておきましょう。
 

出典

e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 年次 2023年 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 表番号3-2 世帯主の年齢階級別 二人以上の世帯・勤労者世帯・無職世帯
厚生労働省 令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況 統計表 第7表 死亡数・死亡率(人口10万対),性・年齢(5歳階級)・死因順位別(36ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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