更新日: 2024.09.06 定年・退職
50代の会社員、定年後は「ポルシェ タイカン」を自分へのご褒美に購入したいです。退職金と貯金で「2000万円」になる予定ですが、老後のためにはやめるべきでしょうか…?
しかし、高級外車は高額のため、購入したら老後の生活に影響が出ることも考えられます。
本記事では、退職金と貯金で2000万円と、夫婦2人の平均的な年金受給額である「月23万円」(2024年度)を得る人が、ポルシェ「タイカン」を購入して老後に影響が出ないのかを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ポルシェ「タイカン」の新車購入価格はいくら?
ポルシェは車好きでなくともその名が広く知られている高級外車メーカーです。そんなポルシェが販売している「タイカン」はポルシェ初のフル電気自動車でありながら、ポルシェの伝統的なスタイルと走行性能を受け継いでいます。
タイカンの値段はモデルによって異なりますが、基本モデルである「Taycan」の車両本体価格は「1370万円(税込)」です(2024年8月31日時点)。ホイールやインテリアのレザーの品質などにこだわると、1500万円を超えることもじゅうぶんに考えられます。
ポルシェ「タイカン」を購入しても老後資金は不足しない?
退職金と貯金で2000万円があれば、オプション込みでもタイカンを購入することは可能です。ただ、問題になるのは「2000万円を使っても老後生活に問題がないのか?」ということでしょう。
総務省統計局の令和5年の家計調査報告によると、65歳以上の夫婦のみ無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の消費支出と非消費支出の合計額は28万2497円です。なお、家計調査の住居費は持ち家を含むため約2万円と安く、賃貸の場合は高額になるケースもありますが、今回はデータ通りの数値でシミュレーションしていきます。
今回のケースでは夫婦の年金受給額が月23万円と想定しているため、仮にタイカンの購入で2000万円を全て使ってしまうと、月約5万円の赤字になってしまいます。
タイカンの購入費用が1500万円で500万円が余ったとしても、「500万円÷月の赤字額5万円=約100ヶ月」となり、約8年で貯金が底を突く計算です。65歳から老後生活を始めたとしても73歳で貯金がなくなる計算であり、人生100年時代といわれる現代では老後を安心して過ごせない可能性が高いといえるでしょう。
また、生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によると、ゆとりのある生活をするために必要な費用は月37万9000円です。受給できる年金額が月23万円だとすると約15万円が不足することになります。
老後に好きな車に乗ることは素晴らしいことですが、今回のシミュレーションでは貯金を使って新車のタイカンを購入することは難しいかもしれません。
ポルシェ「タイカン」を購入するなら老後資金不足を解消する方法を考えよう
新車のタイカンを購入すると老後資金に不足が生じる場合、「老後資金を残しながらタイカンに乗る方法」を検討しましょう。
●中古車を購入する
●レンタカーやカーリースを利用する
●定年後の再雇用や資産運用で老後の貯金を増やす
新車にこだわらず、中古車を購入することで乗り出し費用を安く抑えられる可能性があります。また、一部のレンタカー・リース会社ではタイカンを選んで乗車することも可能です。
料金は一例として「6時間で約4万6000円」と決して安くはありませんが、夢だった車を使って日帰りのドライブを実現できます。
ポルシェは公式でカーリースを提供しており、諸費用まで含めて月々一定の価格でタイカンに乗ることもできるでしょう。
再雇用や資産運用などで、老後に使えるお金を増やすことも有力な選択肢です。例えば60歳で定年を迎えてから再雇用で働き、仮に月3万円を貯金に回すことができれば、65歳までの5年間で180万円も貯金の積み増しが可能です。
また、毎月3万円をNISAの投資信託で資産運用することで、貯金よりも効率的に資産を増やせる可能性があります。年率3%で資産運用ができれば、50歳から65歳までの15年で約680万円まで資産を増やせる計算です。
まとめ
新車でポルシェのタイカンを購入すると1500万円近い金額になります。貯金を使ってしまうと老後の生活費が不足する可能性が高く、購入は慎重に考えるべきでしょう。新車の購入以外に中古車やカーリースで毎月の支出金額を安く抑えたり、再雇用や資産運用で老後資金を効率良く増やしたりすることで、憧れのポルシェを手に入れられる可能性もあります。
出典
日本年金機構 令和6年4月分(6月14日(金曜)支払分)からの年金額
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要
生命保険文化センター 2022(令和4)年度生活保障に関する調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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